【ワシントン時事】ハスペル米中央情報局(CIA)長官は4日、共和、民主両党の上院幹部に対し、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件に関する説明を非公開で行った。トランプ政権はサウジのムハンマド皇太子について「事件への直接関与を示す証拠はない」(ポンペオ国務長官)との立場だが、説明を受けた有力議員からは「関与は疑いない」との声が上がった。

記者殺害「見て見ぬふり」=トルコ外相、米大統領を批判

 ハスペル氏の説明内容は明らかになっていないが、米メディアはこれまで、CIAは皇太子の関与を結論付けたと報じている。サウジとの関係維持を重視し、事件の幕引きを図りたいトランプ政権と、サウジ批判を強める議会との対立が深刻化する可能性もある。
コーカー上院外交委員長は記者団に「皇太子が殺害を命じ、何が起きたかを正確に把握しているという見方に疑問はない。彼が陪審員団の前に立たされれば、30分で有罪になるだろう」と述べた。共和党のグラム上院議員も「皇太子の関与なしに組織的な事件が起きた可能性はゼロだ」と語った。(2018/12/05-07:17)