日本と欧州の経済連携協定(EPA)が今日の午前0時を期して発効した。世界的に保護貿易主義ムードが高まる中で、昨年末に発効したTPP11に次ぐ自由貿易時代の幕開けである。安倍政権の数少ない成果の一つだろう。だが、この日のメディアはこの件に関して以外に反応薄である。厚労省の統計不正が連日紙面を賑わしている影響かもしれない。EPAは何年か時間をかけて関税をゼロにする取り決め。即効性の少ない協定の発効ということで、メディアも読者もあまり関心を示していないようだ。保護主義の風潮に逆らい日本が主導権を発揮した成果だけに、日本中がこの条約にもっと関心を向けてほしい。ワインやチーズの一部は今日から関税がゼロになる。個人的にはヨーロッパ産のワインが安くなることを楽しみにしている。

米中の貿易摩擦は昨日トランプ大統領と中国の劉鶴副首相がホワイトハウス(WH)で会談した。ロイターが配信した会談の写真によるとWHの大統領執務室にトランプ大統領以下ペンス副大統領、ポンペオ国務長官、ロペス商務長官、ムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表部代表など主要閣僚が勢ぞろいし、そこで劉鶴副首相が一人で対応している。もちろん画面には写っていないが中国側も主要なスタッフが同席しているだろう。写真からは良好な雰囲気が伝わってくる。トランプ大統領は「非常に大きな進展があった」と会談が前向きだったことを示唆している。その一方で、「米中が合意したことを意味しない」(ブルームバーグ)と釘をさすことも忘れなかった。ただ、和気藹々にみえる会談風景の全景写真を公表したこと自体、貿易摩擦問題が改善に向かっていることの証明だろう。

この写真を見る限り米中の貿易戦争がこれ以上悪くなることはないと思う。両国の覇権をめぐる争いが全面的に解決しないまでも、現在10%となっている関税を3月1日以降25%に引き上げるといった最悪の事態は回避できると見る。世界は自由貿易によって成り立っている。そこに制限を加えることは米中2国間の利害に止まらず、世界の経済的成長を脅かす。そんな中でEPAが発効した。これは米国抜きのTPP11の発効とともに、貿易立国・日本の政治的な勝利でもある。それだけにEPAが発効したその日のメディアの扱いがあまりにも小さすぎる気がして仕方がない。悪い材料だけがニュースではない。将来を先取りした良いニュースにもメデャアはもっと目を向けるべきだし、読者の関心を呼び込む努力をすべきだ。