3月6日に撮影された西海衛星発射場の衛生写真

 【ワシントン高本耕太】米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)などは7日、北朝鮮の北西部東倉里(トンチャンリ)のミサイル施設「西海(ソヘ)衛星発射場」について「通常の稼働が可能な状態になった」との分析を発表した。6日に撮影された商業衛星写真を解析した。

 トランプ米大統領は7日、北朝鮮の動きについて「少し失望している」と記者団に述べた。だが、米政権は北朝鮮との対話姿勢は継続する構えで、西海発射場の動向に関しても現時点で非難は避けている。米国務省高官は記者団に「何が起きているのか、明白な結論には至っていない」と断定を避けた。

 今回の北朝鮮の動きは、物別れに終わった2月27~28日の第2回米朝首脳会談を受けた「トランプ政権への不満表明」との見方がある一方、韓国に対し何らかの行動を促すシグナルとの分析もある。

 発射場は昨年8月から活動を停止していた。復旧の動きが確認された今月2日の写真と比較して▽エンジン燃焼実験場で保護カバー設置▽ミサイル発射台から建設用クレーン撤去▽レール式移送構造物が復旧――などが視認できるという。北朝鮮分析サイト「38ノース」は、発射台周辺で複数の車両の動きが見られると発表した。

 西海衛星発射場は、昨年6月の第1回米朝首脳会談で北朝鮮側が廃棄を約束したとされる。同9月の南北首脳会談の平壌共同宣言にも「永久廃棄」が明記された。