フィリピンの海岸に打ち上げられて死んだクジラの胃の中からおよそ40キロのプラスチック製の袋などが見つかり、アジア各地でクジラの遺体から大量のプラスチックごみが見つかっていることから、海洋汚染の深刻さが浮き彫りにされています。

フィリピン南部のミンダナオ島の海岸で、今月中旬、1頭の衰弱したクジラが打ち上げられ、まもなく死にました。クジラを解剖したところ、胃の中から米の袋などおよそ40キロのプラスチックごみが見つかったということです。調査に関わった博物館の館長は「これほど大量のプラスチックごみが見つかるとは予想していなかった」と話していました。

アジアでは去年、タイ南部の海岸に打ち上げられたクジラの胃の中から80枚余りのプラスチック製の袋などが見つかったほか、インドネシアの海岸に打ち上げられたクジラの体内からも重さ6キロのプラスチック製のひもやカップなどが見つかっています。

2015年にアメリカの海洋保全団体がまとめた報告書によりますと、世界の海に投棄されているプラスチックごみのうち、およそ60%は、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイの5か国の沿海に集中しているということで、クジラの体内から相次いで大量のごみが見つかったことで、海洋汚染の深刻さが改めて浮き彫りにされた形です。