【北京時事】中国の習近平国家主席は26日、シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議で、知的財産権の保護や輸入拡大などに取り組む姿勢を強調した。大詰めを迎えた米中貿易協議での合意をにらみ、対米譲歩の方針を国際社会に公約することで、中国側の決意を示した。

 習主席は基調演説のほぼ3分の1を割き、▽外国企業の権益保護強化をうたった外商投資法の施行▽知財権の保護や技術移転強要の禁止▽モノとサービスの輸入拡大▽人民元相場の安定▽国際合意を履行する仕組みづくり-などを各国首脳らの前で確約した。

 習氏はこれらを「改革開放政策の一環」と説明したが、いずれも貿易協議で米側が強く改善を求めていた分野であり、米国の要求を念頭に置いているのは間違いない。

 米国は一帯一路が中国の影響力強化につながることを警戒し、同会議への高官派遣を見送った。習氏は演説で保護主義反対を掲げるなど、全体としてトランプ米政権をけん制する一方、貿易協議に関しては早期妥結に前向きなメッセージを送った形だ。