【カイロ時事】イラン政府報道官は4日、ザリフ外相が7月中旬にニューヨークを訪問した際、トランプ米政権がホワイトハウスに招待して会談を要請していたと明らかにした。米国は同月31日にザリフ氏を制裁対象に指定しており、報道官は「会談に招いた国の外相に制裁を科すとは、ばかげている」と米国を批判した。

 ザリフ氏の招請は、米誌ニューヨーカーが今月2日に報じていた。同誌によれば、ザリフ氏はトランプ大統領の許可を受けたポール上院議員とニューヨークで約1時間会談し、核問題や米イラン対立などを協議。ポール議員がトランプ氏との直接会談を持ちかけたが、ザリフ氏がイラン指導部に判断を仰いだ結果、承認されなかったという。最高指導者ハメネイ師は一貫して対米交渉を拒絶している。

 ザリフ氏はこの際、招待に応じれば米政府に両国関係改善を演出するために利用され、実質的な進展に至らないことを懸念していたという。