米国のボルトン大統領補佐官(左)とポンペオ国務長官(右)。中央はマルバニー大統領首席補佐官代行=7月26日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】米CNNテレビは6日、複数の関係者の証言として、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)とポンペオ国務長官の確執が深刻になっていると報じた。公式な会議を除いてほとんど口もきかない状態が続いているといい、政権の今後に影響が出る可能性がある。

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 2人はこれまでも摩擦が指摘されることがあったが、最近は「全面的な対立」に発展しているという。

 北朝鮮やイランに対する圧力を重視する点で2人の立場はもともと近い。それでも衝突するのは、トランプ大統領への直言も辞さないボルトン氏に対し、大統領とより近い関係を築いて懐柔しようとするポンペオ氏の手法の違いがある。

 ボルトン氏はこのところ、政策決定の蚊帳の外に置かれる場面が目立つ。ワシントン・ポスト紙によると、8月16日に政権幹部がアフガニスタン和平への対応を話し合った際、出席者のリストには当初、ボルトン氏の名前はなかった。「和平案に反対し中身をリークする」(高官)ことが懸念されたためとされる。

 CNNによれば、この動きを主導したのは国務省だった。政権の要のマルバニー大統領首席補佐官代行も、自身のチームに安全保障の専門家を置くなど「ボルトン外し」に加担している。これに対しボルトン氏は巻き返しを図り、アフガン和平などで大統領に対し、批判的な意見具申を続けているという。