[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米中通商問題を巡る緊張の緩和を受け安全資産に対する 需要が減退し、ドルが対円で約2週間ぶりの高値を付けた。ただクリスマス明けで休場と なっている市場も多い中、商いは薄かった。

中国外務省の耿爽報道官は25日、米中通商合意の署名式を巡り米国と密接に連絡 を取っていると発言。これに先立ちトランプ米大統領は24日、中国の習近平国家主席と 第1段階の米中通商合意に署名する調印式を行うと述べていた。

  テンパス(ワシントン)のトレーディング担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル 氏は「トランプ氏のコメントを受け、今日は若干『リスクオン』となっている」と指摘。 「薄商いの中、円などの安全通貨が小幅安となる一方、通商合意の期待からNZドルと豪 ドルが上げている」と述べた。

ドルは対円0.26%高の109.63円。オフショア人民元は1ドル =6.9911元と、ほぼ横ばい。通商問題に敏感に反応する通貨は上昇し、対米ドルで 豪ドルは0.38%高、NZドルは0.57%高となった。

ただクリスマス明けのこの日も休場となっている市場が多く、取引は閑散。ドイル氏 は「市場は虫の鳴き声が聞こえるほど静かだ。欧州の大部分の市場は今日も休場で、取引 は閑散としている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.13%安の97.523。この日発表の米経済指標では、労働省発表の21日終了週の新規失業保険申請件数( 季節調整済み)が前週比1万3000件減の22万2000件となり、労働市場が引き続 き底堅いことが示唆された。

カナダドルは対米ドルで0.4%高の1.3104カナダドル。10月の国内 総生産(GDP)が0.1%減と、月次ベースで2月以来のマイナス成長となったことを 受けカナダドルは下落していたが、この日の上昇で下げを回復した。

英ポンドは1.3004ドル。クリスマス前の水準からはやや上昇したが、総 選挙後の13日に付けた高値の1.3514ドルからはほど遠い水準にある。

ドル/円 NY午後4時 109.61/109.64
              始値          109.58
              高値          109.68
              安値          109.58
 ユーロ/ドル NY午後4時 1.1101/1.1105
              始値          1.1085
              高値          1.1109
              安値          1.1086