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国境を越えたネット通販が拡大する一方、密輸の手口が巧妙になっていることから、財務省は、貨物のX線検査にAI=人工知能を活用するなど、先端技術によって税関の機能を高める計画をまとめました。

空港や港にある税関では、国境を越えたネット通販の拡大で小口の貨物が増える一方、違法薬物や偽ブランド品の密輸の手口は年々巧妙になっています。

財務省は税関の機能を高めるため、今後10年程度で取り組むべき対応策をまとめました。

具体的には、AIが貨物のX線画像を基に分析し、違法な薬物などが含まれていないか自動で判別するシステムの整備や、ラジオに使われている周波数帯の電波を当て、その反応などから体内に隠し持った覚醒剤を探知する装置の実用化を目指すとしています。

また、職員を介さずに空港での税関検査ができる「電子申告ゲート」を増やすほか、AIが問い合わせに自動的に答える「チャットボット」を活用して休日も含めて24時間、税関手続きの相談ができるシステムを導入する方針です。

財務省は、実現に向けて必要な予算を来年度以降、確保していきたいとしています。