• 失業保険の継続受給者数は5月初め以降で最大の増加
  • 週600ドルの失業給付上乗せ措置は7月末で終了予定
A worker gives a pedicure to a customer outside of a nail salon in Palo Alto, California, on July 28.
A worker gives a pedicure to a customer outside of a nail salon in Palo Alto, California, on July 28. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

先週の米新規失業保険申請件数は、2週連続での増加となった。景気回復が順調に進まないリスクが強まっていることが示唆された。議会の動き次第では、週600ドル(約6万3000円)の失業給付上乗せ措置は当初の予定通り7月末で失効する。

キーポイント
・新規失業保険申請件数(25日終了週)は、通常の州プログラム下で前週比1万2000件増の143万件
 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では、144万5000件と見込まれていた
・失業保険の継続受給者数(18日終了週)は1700万人と、前週比で86万7000人増加-5月初め以来の大幅増
U.S. jobless claims rise for a second straight week

インサイト

  • 連邦政府による週600ドルの失業給付上乗せ措置は今週で失効となる。議会では民主党と共和党の間で措置延長を巡る協議が続いているが、両党の主張の隔たりは極めて大きい
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は29日、連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、「経済活動再開が順調に進み、非常に多くの人が職場に復帰したとしても、多くの人が近距離で集まるような分野では回復になおかなりの時間がかかるだろう」とし、「そうした人々には支援が必要だ」と指摘した
  • 労働省によれば、当初は季節要因を踏まえ調整前ベースで約18万1000件減を想定したが、実際には同ベースで約17万1000件減だった。そこに労働省が季節調整を適用したところ、結果として1万2000件増となった

詳細

  • 州ごとの状況を見ると、調整前ベースでほぼ全ての州で失業保険申請件数が減少。人口が最も多く、ウイルス感染が大きく増加しているカリフォルニアでは4万587件減だった。このほかフロリダ、ジョージア、ルイジアナ、テキサスの各州も大幅に減少。一方でネバダ、ニュージャージー、バージニア、カンザスなどでは増加した
  • 継続受給者数の増加は、特にカリフォルニア州とテキサス州で顕著。調整前で両州合わせて約57万6000人増だった。フロリダ州は約12万2000人減少した
  • 連邦政府のパンデミック失業支援(PUA)プログラムに基づく新規失業保険申請件数は25日終了週に82万9697件
    • PUAは自営業者や単発の仕事を請け負うギグワーカーなど、各州が設けている通常の失業保険では対象外の労働者にも適用される
  • PUAを含む全てのプログラムに基づく継続受給者数は、18日終了週に調整前ベースで3020万人に減少(前週は3180万人)
    • この数字はただ、PUAに基づく継続受給者が実際より多く集計されことを反映している可能性が高い
    • 各州が過去に処理しきれなかった分が反映された部分がある

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Jobless Claims Rise a Second Week in Sign of Growing Risks(抜粋)