旧ソビエトで開発された神経剤で襲われたとみられるロシアの野党勢力の指導者、ナワリヌイ氏がおよそ1か月にわたって治療を受けていたドイツの病院を退院しました。

ロシアでプーチン政権を批判してきた野党勢力の指導者ナワリヌイ氏は先月ロシア国内を旅客機で移動中に突然、意識を失い、移送されたドイツの病院で治療を受けていました。

ナワリヌイ氏は今月中旬以降、自身のSNSに写真やコメントを投稿して回復をアピールしていましたが、病院は23日、声明を発表し、ナワリヌイ氏が22日に退院したことを明らかにしました。

またナワリヌイ氏も23日、自身のSNSにコメントを投稿しまだ片足で立ったり左手でボールを投げたりすることができないとして、退院後も毎日リハビリを続ける考えを示しました。

退院後についてナワリヌイ氏の広報担当者は今月15日「ロシアへの帰国を検討している」としていました。

一方、ロシアのプーチン政権は旧ソビエトで開発された神経剤「ノビチョク」と同じ種類の物質で襲撃されたという見方を否定し、真相究明のための捜査を行わない方針を示していて、ナワリヌイ氏の支持者の間では「帰国すれば再び命をねらわれかねない」とロシアへの帰国を危ぶむ声も出ています。