[ベルリン 28日 ロイター] – ドイツのメルケル首相は28日、再拡大する新型コロナウイルス流行に対応するため、11月2日から1カ月間、緊急の部分的なロックダウン(都市封鎖)措置を実施すると発表した。

メルケル首相は16州首相との会合後、感染状況が「極めて深刻」で、「直ちに行動を取る必要がある」と言明した。同時に、新たな措置は経済的影響を最低限にとどめることが目的とも強調した。

新措置の下、集会は2家族、10人以下に制限する。私用および不要不急の旅行の自粛を促し、ホテル宿泊は出張者のみに限定する。

レストランやバー、ジムやプール、映画館、劇場は閉鎖される。コンサートなどは中止されるが、プロスポーツのイベントは観客なしで開催が許される。

また、企業向けに100億ユーロ(118億2000万ドル)の支援パッケージを打ち出し、ロックダウン中の損失を補う。従業員が50人以下の中小企業は11月に関し、昨年同月の売上高の75%分を受け取る。

一方、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)や衛生上のルール順守を条件に、学校や託児所の運営は継続される。

コロナ感染の第2波に見舞われる中、ドイツの感染者数は過去24時間に約1万5000人増加し、累計46万4000人強に達した。死者も累計1万人を超え、医療機関の逼迫が懸念されている。

メルケル首相は「われわれの医療システムは現状に対応できているが、現在の感染ペースが続けば、対応能力は数週間以内に限界に達するだろう」と警鐘を鳴らした。

メルケル首相と16州首相は、新制限措置実施後2週間後に再会合し、措置が効果を発揮しているかどうか精査するという。