欧州連合(EU)と英国の通商交渉は今週に入り、意見が大きく対立していた幾つかの問題で解決に向けて進展を見せた。交渉に詳しい複数の関係者が明らかにした。11月初めまでの合意成立も可能との期待が高まった。

  英国とEUは公正な競争環境について合意文書の作成に着手し始め、国家補助の問題をカバーする共同文書は近くまとまる見通しだ。公に話す権限がないとして匿名を条件に同関係者が明らかにした。また通商合意をどのように施行するか本質的な部分の決定にも英国とEUは近づいたという。

  公正な競争環境や施行方法、漁業権は双方の隔たりが依然大きいものの、合意文書を巡る進展は7カ月に及ぶ交渉の末、行き詰まり打開に一歩近づいたことを示唆している。

  関係者の1人によれば、交渉場所は29日にブリュッセルへと移る。担当者らが11月3日までに残る相違を十分に狭めることができれば、後はジョンソン英首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長に託される。両氏は合意成立に向け、最後の譲歩を働き掛けるという。

  通商合意が成立しない場合、来年からは関税と輸入割り当て、通関手続きが復活し、それに伴うコストや混乱が予想される。

原題:Brexit Deal Inches Closer Into View as Talks Make Progress (2)