マイクロソフトの企業向け電子メールソフト「エクスチェンジサーバー」へのハッカー攻撃が世界的なサイバーセキュリティ―危機に発展しつつある。ハッカーは各企業が自社のコンピューターシステムの安全性を確保できる前に、できるだけ多くに打撃を与えようとしているためだ。
 
  中国政府が支援するハッカー集団「ハフニウム」によって開始されたとマイクロソフトが主張する今回の攻撃では、これまでに世界全体の被害が少なくとも6万件とされている。今回の問題の調査に詳しい元米高官1人が明らかにした。

  顧客のセキュリティーを監視するメリーランド州のハントレスによると、これまでに確認された被害者には銀行や電力供給者のほか、老人ホーム、アイスクリーム会社も含まれている。

  ホワイトハウス当局者は6日の電子メールで、「われわれは影響を分析し、検討するために政府全体としての対応に取り組んでいる」として、「これは依然として進行中の能動的脅威であり、ネットワークオペレーターに深刻に受け止めるよう促す」と述べた。

  中国外務省スポークスマンは3日、マイクロソフトがサイバー攻撃で中国に言及したことについて、同国が「あらゆる形のサイバー攻撃とサイバー窃盗に断固として反対し闘う」とするとともに、特定の国を非難することは「非常に慎重に扱うべき政治的問題だ」と語った。

原題:Hackers Breach Thousands of Microsoft Customers Around the World(抜粋)