[ニューヨーク/ロンドン 19日 ロイター] – 19日の取引で、暗号資産(仮想通貨)のビットコインやイーサが軒並み急落し、3カ月半ぶり安値を更新した。1日としては昨年3月以来の大幅安となる勢い。

暗号資産市場からは一時、時価総額1兆ドル相当が吹き飛んだ。コインゲッコー・ドット・コムによると、19日午前時点で、暗号資産市場の時価総額は1兆6500億ドル近辺。

中国の金融業界団体が18日、金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するなど規制を強化したことが引き続き売り材料となっている。

ビットコインは一時、22%超安の3万0066ドルと、1月終盤以来の安値を更新。4月14日に記録した最高値の6万4895ドルを54%下回る水準。また、月間としては2018年11月以来初めて下落する見通し。

ビットコインはその後、下げ幅を小幅縮小し、18.5%安の3万4927ドル。なお、節目となる4万ドルを下回っている。

パンクソラのスミス最高経営責任者(CEO)は「ビットコインのように過去1年に大きく上昇していた資産の急落は驚きではない」と指摘。「素晴らしい投資機会であっても、ビットコインが依然、新興の資産クラスで、価格が大きく振れることを忘れるべきではない」と述べた。

イーサも一時、1月終盤以来の安値となる1850ドルまで下落。その後は26%安の2497ドルで推移した。今月12日に付けた最高値から57%下落している。

コインゲッコーによると、ドージコインも約26%安の0.35ドル。

株式市場では、暗号資産交換所最大手コインベース・グローバルが7.4%下落した。コインベースの株価は4月のナスダック市場への直接上場初日に記録した最高値からほぼ半減している。

電気自動車大手テスラも3.8%安。同社のマスク最高経営責任者(CEO)が先週、テスラ車の購入でビットコインを使った支払いを認めない方針を示したことを受け、ビットコインは急落。マスク氏が17日に「テスラはビットコインを売却していない」と述べたことで、相場は持ち直していた。