連日の日本人の活躍に正直いって驚いている。偶然いい結果が出たわけではない。日頃の練習が実を結んでいる。考え方も信じられないほど前向きで合理的だ。「本番に弱い日本人」と思い込んでいる自分が、いかに時代遅れの考え方に染まっているか、改めて考えさせられた。陸上1500メートル女子準決勝を突破した田中希実もそんな選手の1人だ。準決勝ではなんと予選で出した日本新記録をさらに更新、4分の壁を破って決勝に進出したのだ。レース展開も積極果敢。スタート直後、「1レーンが空いていると見るや、するすると2番手へ。田中は『接触するくらいなら、ハイペースの自分のリズムでいこう』と割り切った」(朝日新聞デジタル)。体が大きいわけではない。外国勢に比べたら明らかに見劣りする。だが、考え方はビックだ。

 「2周目から先頭で引っ張った。これにも狙いがあった。予選で『2周目は休む選手が多い』と感じていた。あえてペースを落とさず、後続の選手に力をためる隙をあたえなかった」。実にクールだ。戦う相手を冷静に観察し、分析している。これなら緊張したり、上がったりする暇もない。あとは自分を信じて走るだけ。「残り500メートル付近で5番手まで順位を下げたが、ここから粘った。3分59秒19で5着。着順で決勝にいける順位に滑り込んだ」(同)。Liveでこの走りを見ていた。実に堂々とした走りだった。この種目日本人として初出場だが、なんと初出場で決勝進出の快挙だ。陸上の中距離は日本人にとって最も苦手な種目。スタートが順調でもレース後半に失速する。そんな日本選手のイメージを田中は覆した。知らないうちに日本人離れした日本人が誕生している。

女子のスケートボード(パーク)にも驚いた。日本人が金、銀を獲得。3位に入ったスカイ・ブラウン(英国)は日本人の母を持ち、宮崎県に住んだことがあるという。昨年5月、練習中に大怪我をした。頭蓋骨にひびが入り、左腕と左手首を骨折した。心臓と肺も傷ついたという。考えられないような回復力だ。さらに驚くのは1位になった四十住(よそずみ)19歳、2位の開(ひらき)は今大会最年少の12歳。3位のブラウン13歳。メダリスト全員が10代なのだ。どのスポーツでも10代の選手が活躍するようになっている。体操の橋本大輝も19歳だ。五輪にとどまらないだろう。スポーツ界は若い選手が世界を引っ張っている。そんな中でスポーツクライミングの野口は今大会を最後に引退すると表明しているベテラン。その野口も予選を4位で突破。6日の決勝に進出する。