[ワシントン 27日 ロイター] – 米商務省が27日発表した7月の個人消費支出は前月比0.3%増と、6月の1.1%増から鈍化した。自動車の供給不足から対面サービスの伸びが抑制された。新型コロナウイルス感染が再び増える中で、経済成長が第3・四半期に鈍化するとの見方を後押しした。市場予想は0.3%増だった。

6月分は1.1%増と、従来発表の1.0%から修正された。

需要は旅行や娯楽などのサービスに戻っているものの、サービス支出はモノの支出の落ち込みを相殺するほどではない。モノへの支出は自動車を中心とした供給不足も抑制要因となっている。

ただ、BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「イベントや旅行のキャンセルや商品の供給遅延などに起因する消費に対する明確な下方リスクが存在しているものの賃金と貯蓄のトレンドが支援的であることを踏まえると、景気見通しで敗北を認めるのは時期尚早だ」と述べた。

モノの消費は1.1%減。半導体不足で自動車生産が影響を受ける中、自動車に対する消費が落ち込んだことが大きな要因となった。娯楽用品のほか、衣料品・履物に対する消費も減少した。

一方、サービスの消費は1.0%増。外食と宿泊を中心に広範な部門で増加した。ただ、デルタ変異株の感染が拡大する中、航空券や宿泊代金の支払いなどが減速しつつあることがクレジットカード利用データで示されている。

物価調整後の消費支出は0.1%減少。6月は0.5%増加していた。

供給網の逼迫が根強く、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で混乱した経済が正常化する中、物価上昇は7月も過熱した。ただ物価上昇はピークを迎えたか、そこに近づいているもようだ。

7月の個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と、6月の0.5%上昇から鈍化した。前年同月比は2カ月連続で3.6%上昇だった。2%の柔軟な平均インフレ目標を設ける米連邦準備理事会(FRB)は、PCE価格指数を物価の目安としている。