[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で行った講演はハト派的と受け取られた。

パウエル議長は、米経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下での緊急プログラムを縮小する基準に向けて引き続き前進しているとの認識を示した。現行のインフレ高進は収束する可能性が高いとし、テーパリング(量的緩和の縮小)開始時期については年内が適切との見方を示しながらも、テーパリングの時期とペースは、利上げ時期に関する直接的なシグナルを伝えることを意図しないとも述べた。

BMOキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル主任のグレゴリー・アンダーソン氏は「9月にテーパリングを巡り発表があり、10月に始まることは講演では示唆されなかった」と述べた。

インスペレックスのシニアトレーダー、デイビッド・ペトロシネリ氏は、パウエル議長がテーパリングと利上げを「明確に区分した」と指摘した。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのカール・シャモッタ氏は、市場では長期的な引き締めの道筋を巡る期待が後退し、ドルが下落する展開になったと述べた。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.39%安の92.6760。

ユーロ/ドルは0.37%高の1.1794ドル。ドル/円は0.24%安の109.82円。

ニュージーランドドル/米ドルは小幅安。同国のアーダーン首相は27日、全土で実施しているロックダウン(都市封鎖)を緩和すると発表。ただ、学校は引き続き閉鎖され、感染の中心地である最大都市オークランドでは封鎖が続くという。

カナダドルは対米ドルで0.56%高の1.2612カナダドル。原油先物相場も上昇した。

ドル/円 NY終値 109.82/109.85

始値 110.13

高値 110.26

安値 109.79

ユーロ/ドル NY終値 1.1793/1.1797

始値 1.1757

高値 1.1802

安値 1.1736