[ニューヨーク 4日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが3日続伸した。ロシア軍が撤退した後のウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで民間人とみられる多数の遺体が見つかったことを受け、ロシアへの制裁が強化されるとの懸念が強まり、安全通貨としてのドル買いが強まった。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ロシアとウクライナの和平交渉決着について多くの投資家が悲観的になっている」と指摘。「欧州連合(EU)がロシアへの制裁を強化する必要があるかもしれないというのが大方の予想だ。これにより、世界の一部の回復が鈍化し、ドルへの資金流入を促すだろう」と述べた。

ウクライナの検察当局は3日、ブチャを含むキーウ近郊の複数の地域で計410人の遺体を発見したと明らかにした。ブチャの市長は、ロシア軍の支配下で住民300人が殺害されたと述べた。

午後の取引で、ドル指数は0.4%高の98.986。

米労働省が1日発表した3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より43万1000人増加し、堅調な伸びを示した。また失業率は3.6%と2020年2月以来、約2年ぶりの水準に改善した。2月の失業率は3.8%だった。

OANDAのモヤ氏は「米経済は依然として堅調な足取りであり、先週の堅調な雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)のより積極的な利上げ路線への道を開く」と述べた。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物が織り込む、FRBが来月0.50%ポイント利上げする確率は1日時点で81%となっている。

ユーロ/ドルは0.8%安の1.0970ドル。ユーロ/ポンドは0.7%安の0.8364ポンド。

ドル/円は0.2%高の122.805円。

中国本土市場は祝日で休場だったが、オフショア取引では人民元が圧迫された。中国最大の経済都市である上海市は4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け導入しているロックダウン(都市封鎖)を延長すると発表した。

ドル/円 NY午後4時 122.76/122.77

始値 122.80

高値 122.94

安値 122.61

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0968/1.0972

始値 1.0999

高値 1.1008

安値 1.0961