[ニューヨーク 8日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、主要6通貨に対するドル指数が約2年ぶりに100台に乗せた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対応に積極的に動くとの観測から、週間ベースでの上昇率は約1カ月ぶりの大きさとなった。

ドル指数は100.19まで上昇し、2020年5月以来の高値を更新。終盤の取引ではほぼ横ばいの99.822となったが、週初からは約1.3%上昇した。

ユーロがウクライナ戦争の経済コストや仏大統領選を巡る懸念で圧迫される中、ドル指数は過去1カ月にわたり上昇。キャピタル・エコノミクスのシニアマーケットエコノミスト、ヨナス・ゴルターマン氏は、「FRBの量的引き締めに対するタカ派姿勢や(対ロシア)制裁の欧州に対するリスクのほか、仏大統領選で極右候補マリーヌ・ルペン氏が世論調査で追い上げていることなどが圧力になっている」と述べた。

ユーロは一時、1.0837ドルと、1カ月ぶり安値を更新。終盤の取引で0.3%安の1.0853ドル。7営業日連続で下落した。

欧州中央銀行(ECB)が7日に公表した3月理事会の議事要旨で、利上げの条件が満たされたか、もしくは近く満たされるとの見方から、一部当局者が一段と踏み込んだ行動を促していたことがことが判明。

ただ、スコシアバンク(トロント)のチーフ外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「FRBは5月の会合で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定するとみられているが、ECBの利上げ幅は年内全体で50bpを超えない」との見方を示した。

ドルは対円でも上昇。124.67円と、約1週間ぶりの高値を付けた。終盤の取引では0.3%高の124.355円。週初からは1.5%上昇した。

ドル/円 NY終値 124.32/124.35

始値 124.09

高値 124.67

安値 124.10

ユーロ/ドル NY終値 1.0876/1.0880

始値 1.0885

高値 1.0887

安値 1.0837