[ニューヨーク 29日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では利益確定の動きから、主要通貨に対するドル指数が20年ぶり高値から下落。ただ、世界成長鈍化を巡る懸念や米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締め観測がドルの需要の支え、4月としては7年ぶりの大幅な上昇率を記録した。

日銀が27─28日に開いた金融政策決定会合で、金融緩和の据え置きを決定したことを受け、ドルは前日、対円で20年ぶり高値を更新。対ユーロでも5年ぶり高値を付けていた。

UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「全般的なドルの地合いは堅調」と指摘した。

中国で新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、世界成長減速懸念が強まっている。

中国・北京市は29日、感染拡大防止に向け、より多くのビジネスや住宅地を封鎖した。上海市では感染急拡大を受け今月初めに市内全域でロックダウン(都市封鎖)を実施したが、感染が2週間報告されない地区の規制を緩和している。

終盤の取引でドル指数は102.94。月間では4.76%上昇と、15年1月以来の高い伸びとなった。

円は対ドルで129.32円。前日は日銀の決定を受け、02年4月以来の安値となる131.24円を付けていた。ドル/円は月間で6.41%上昇と、16年11月以来の好成績。

ユーロは1.0569ドル。ユーロ/ドルは4月に4.51%値下がりし、15年1月以来の大幅な下げとなった。

3月の米個人消費支出(PCE)価格指数が前年同月比6.6%上昇し、82年1月以降で最も高い伸びを記録したことを受け、ドルは下げ幅を縮小する場面もあった。

FRBは5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定し、バランスシート削減に向けた計画を明らかにする見通し。

米短期金利先物市場は、フェデラルファンド(FF)金利が年末までに現在の0.33%から2.83%に上昇する可能性を織り込んでいる。

英ポンドは1.2598ドルに上昇。ただ4月は4.24%下落と、16年10月以来の大幅な下げを記録した。

ドル/円 NY終値 129.83/129.86

始値 130.08

高値 130.37

安値 129.32

ユーロ/ドル NY終値 1.0541/1.0545

始値 1.0564

高値 1.0579

安値 1.0511