[東京 1日 ロイター] – 公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、2021年度の運用収益率がプラス5.42%だったと発表した。運用額としては同年度に10兆0925億円増え、22年3月末の積立金残高は196兆5926億円に膨らんだ。

世界的な株価上昇で保有する内外株式の含み益が増えた。外国債券もプラス運用だった。2001年度以降の累積収益額は105兆4288億円と、初めて100兆円台に乗せた。

四半期別の運用実績では、22年1―3月期の運用収益率がマイナス1.10%、収益額はマイナス2兆2031億円だった。マイナス運用は20年1―3月期以来。資産ごとの保有比率はそれぞれ国内債券26.33%、外国債券24.07%、国内株式24.49%、外国株式25.11%となった。

宮園雅敬理事長は記者団に対し、1―3月期の市場環境の変動が「特に大きかった」と語った。ロシア関連資産に関し、ほぼゼロ評価とする会計処理を行ったことも明らかにし、「これ以上のダウンサイドはない」との考えも示した。21年3月末時点では約2200億円を保有していた。

GPIFは、各資産の運用比率を25%とする新たな運用指針を定め、20年4月から適用した。指針では上下6―8%の振れも認めており、国内外の債券、株ともに範囲内に収まった。