[キーウ 21日 ロイター] – ウクライナ中央銀行は21日、通貨フリブナの対米ドルレートを25%切り下げ1ドル=36.5686フリブナとした。ロシアの侵攻で大打撃を受けた経済を下支えする。

2月下旬の侵攻開始時は1ドル=29.25フリブナだった。

中銀は「戦争に起因するウクライナ経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の変化、米ドル相場上昇を踏まえた措置」と説明。その上で通貨価値の切り下げは製造業の競争力強化や経済の安定に寄与し、「市場参加者の投機的行動」を最小限に抑えることになるとした。

シェフチェンコ中銀総裁は「固定相場制を維持することで中銀は物価動向の制御を続け、金融システムの安定した機能を支援することが可能になる。これが安定した経済運営の重要な条件で、戦時下で欠かせないものだ」と述べた。

ウクライナ政府は20日、ユーロ債の元利払いを8月1日から24カ月延期する方針を示した。

世界銀行によると、ウクライナの対外債務は2020年末時点で1300億ドル。

今年は侵攻の影響で35─45%のマイナス成長が見込まれている。