[ワシントン 5日 ロイター] – 米労働省が5日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比52万8000人増と予想を大きく上回り、就業者数は新型コロナ禍前の水準に回復した。失業率も3.5%に低下し、国内経済が景気後退(リセッション)には陥っていない状況を示した。

賃金も上昇し、労働市場は底堅さを維持しており、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続する見通しだ。

7月の雇用者数は2月以来の大幅増で、19カ月連続での雇用拡大となった。6月の雇用者数は39万8000人と、前回発表の37万2000人から上方修正。6月の失業率は3.6%だった。

ロイター調査では、雇用者数は25万人増、失業率は3.6%と予想されていた。雇用者数の予想レンジは7万5000人増ー32万5000人増と幅があった。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は、雇用統計に米経済が景気後退に陥っている兆候は示されていないとし、「FRBがインフレとの戦いを積極的に進めていく自信を与える内容」と述べた。

BMOキャピタル・マーケッツのマイケル・グレゴリー副チーフエコノミストも「雇用の力強い伸びや極めてタイトな労働市場、非常に高い賃金インフレを背景に、FRBが来月も大幅利上げを継続する公算が大きい」と述べた。

フィナンシャル・マーケッツ・オンラインのディレクター、ジェームズ・ベントレー氏は、金融政策で厳しい舵取りを強いられている他の主要中銀とは異なり、「FRBが迷わず現在の政策軌道を維持できる可能性が高まっている」と述べた。

6月末の求人数は1070万人、求人倍率は1.8倍で、労働市場は引き続きタイト。エコノミストは雇用者の伸びが年内に急減速するとは見込んでいない。

時間当たり平均賃金は0.5%上昇、6月は0.4%上昇だった。前年比では5.2%上昇した。

オックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、リディア・ブソワ氏は「労働市場の強さが持続し、労働供給が回復していないため、賃金上振れリスクは当面上向きのようにみえる」と述べた。

平均週間労働時間は横ばいの34.6時間。

7月は幅広い分野で雇用が増加。レジャー・接客が9万6000人増で伸びを主導した。うち大半がレストランやバーでの雇用だった。しかし、同部門の雇用は依然2020年2月の水準を120万人下回っている。

専門職・企業サービスは8万9000人増、ヘルスケアは7万人増。政府も5万7000人増加したほか、建設業は3万2000人増、製造は3万人増だった。

家計調査によると、6万3000人が労働市場から離脱し、7月の失業率低下の一因となった。労働参加率は62.1%と、6月の62.2%から低下した。

経済的な理由によるパートタイム労働者は30万3000人増加した。6月は約20年ぶりの水準に減少していた。