• クワーテング財務相が決めたと英首相、100万バレル超の減産検討へ
  • 利上げペースで見解分かれ始める、クレディS、株式年末ラリー期待

混乱を招いているトラス英政権の経済対策と大型減税案。「恐怖は広がりやすい」と話すセブン・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ベン・クマー氏は「英国での債券ボラティリティー上昇がポンド売りを招き、英国株から資金が流出。世界に売りが波及した」と話しています。世界クロスアセット市場のリスクを測るバンク・オブ・アメリカの指標は、コロナ禍が始まって以来の高水準に跳ね上がりました。警戒ムードが高まる中、今年も最後の四半期。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

決めたのは財務相

トラス英首相は物議を醸している所得税の最高税率を廃止する計画について、クワーテング財務相が決めたことだとし、政権としては市場の混乱にもかかわらずこの方針を貫く考えを示した。トラス氏のこうした姿勢は、与党保守党の党大会が2日に開幕した中で所属議員の不満をさらにあおりそうだ。元閣僚のマイケル・ゴーブ議員は、最高所得層に恩恵となるとして、この案が最終的に議会に提出された際は支持しないとの立場を明確に示した。他の多くの保守党議員もこうした計画では労働党に付け込まれると批判している。

100万バレル超の減産検討

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は5日にウィーンで対面形式により開く閣僚級会合で、日量100万バレルを超える減産を検討する。複数の参加国代表が明らかにした。減産を予想より大幅な規模で検討しているのは、各国で加速する金融引き締めを背景にした世界経済の急減速への懸念の大きさを映している。OPECプラスは毎月オンライン会合を開いてきたが、対面会合の開催は少なくとも今年末までは想定されていなかった。

FRB当局者、見解分かれ始める

米金融当局者の間では今後の利上げペースを巡り、意見が分かれ始めている。クリーブランド連銀のメスター総裁といったタカ派組は、リセッションを引き起こしても積極的な利上げを継続しなければならないと主張。ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は政策引き締めの必要性を引き続き強調しつつ、利上げペースに関してはやや慎重な姿勢を示した。LHマイヤーのエコノミスト、デレク・タン氏は長期インフレ期待の指標安定に安心感を強めている当局者らは、金利のピークに達するのに段階的なアプローチを取ることが可能だと言っていると指摘した。

平静呼び掛け

クレディ・スイス・グループのウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は新たな再建戦略について、100日弱の期間待つよう投資家にこれまで求めてきた。しかし市場が荒れる中、投資家はじりじりとした思いを募らせている。クレディ・スイスの株価は先週、上場来安値を更新。CDS市場では同行の社債保証コストが約15%上昇し、2009年以来の高水準となった。ケルナーCEOは9月30日に従業員に対し、同行の「資本ベースや流動性の状況は力強い」と述べ、新たな戦略計画を発表するまで、行員には最新情報を定期的に報告すると伝えた。

年末ラリー期待

7-9月(第3四半期)の株式相場下落で、年初来の時価総額消失規模は24兆ドル(約3470兆円)に膨らんだ。ただ、堅調な企業決算は投資家にとって朗報となる可能性がある。ホライゾン・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、ロン・サバ氏は「極度の悲観と、妥当なバリュエーションが重なっていることを踏まえれば、10-12月(第4四半期)は投資家に損失の一部を取り戻す機会を与える可能性がある」と述べた。S&P500種株価指数は10-12月期、過去20年間の平均上昇率が4.1%となっている。MSCIオール・カントリー・ワールド指数は、同四半期に下落したケースが同じく過去20年で3回しかない。

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