• 次期英首相にスナク氏、習体制3期目の余波、米財務長官発言
  • 米PMIが4カ月連続低下、弱気派の強気見通し
Larry, the Downing Street cat, a brown and white tabby re-homed from Battersea Dogs and Cats Home, waits to enter number 10 Downing Street in London, U.K., on Tuesday, Feb. 8, 2022. Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

英与党・保守党の党首選でスナク元財務相が当選し、25日に次期首相に就任する見通しとなりました。スナク氏はジョンソン元首相の後任を選ぶ今夏の保守党党首選では、支持率でライバルのトラス外相(当時)を下回っていたにもかかわらず、トラス氏が主張した財源なき減税について、「無責任で、保守党のためにもならないのは明らかだ」と警告していました。安易に世論になびかなかった姿勢が評価されてか、この日の英2年債利回りは1993年以来の大幅低下。ひとまずは市場の信認を得た格好となっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ハント財務相留任へ

保守党党首選では、唯一の対立候補だったモーダント下院院内総務が撤退し、スナク氏の勝利が確定した。スナク氏は分裂した保守党や国の団結を「最重要の優先事項」に掲げると表明した。事情に詳しい関係者によると、財務相にはハント氏を留任させる見通し。市場の安定を図り、予定通り31日に財政計画の発表を済ませたい意向だという。スナク氏はヒンズー教徒として英国初の首相となり、42歳での首相就任は過去200年余りで最年少となる。

習路線への懸念

米国に上場している中国株が急落。中国共産党大会で3期目が確定した習近平総書記が、統制強化路線を継続して経済や民間企業の成長を抑制するとの懸念が強まっている。ナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は24日に過去最大の下げを記録した。エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・アセット・マネジメントの包夏東氏は、習総書記に異論を唱える人がほぼおらず習氏が統制を強固にする中で、中国の経済成長は来年以降も低迷するとの懸念があると指摘。「真の降伏の時だ」とした上で、売り局面は始まったばかりかもしれないと述べた。

深刻な逆風

イエレン米財務長官は世界中で経済成長が減速しており、「世界には高インフレという深刻な逆風と試練がもたらされている」と発言。「世界的な動向が市場のボラティリティー上昇につながっていることから、金融セクターを緊密に観察している」と述べた。日本政府が為替市場に再び介入しているとの報道については、コメントを控えた。「介入が行われる場合、以前は日本から確かに通知があった。ボラティリティーに対する懸念からだと理解した」と説明。ただ、新たな介入に関して米財務省はあらためて連絡を受けてはいなかったと続けた。

4カ月連続の縮小

S&Pグローバルが発表した米国の製造業・サービス業合わせた10月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は、前月から2.2ポイント低下して47.3。4カ月連続で縮小した。インフレや需要低迷を巡る懸念が見通しへの重しとなった。先行きに関する見方も悪化した。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「第4四半期(10-12月)にマイナス成長となるリスクが高まっている一方で、インフレ圧力は根強く高いという経済状況を表している」と指摘した。

短期的には強気

ウォール街で弱気派として特に有名な米モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、株価が短期的に上昇するとの見方をあらためて示した。同氏が先週示したこの強気には当初、顧客から「疑問の声」が上がっていた。ウィルソン氏は24日付のリポートで、市場がインフレ減速および一時織り込んだよりも低い金利の想定に移行しているとして、株価がじり高に向かうと予想した。同氏によると、債券利回りの低下が次の戦術的な株価上昇を後押しする。「2023年の利益見通しで全面降伏となるが、それまでにまだもう数カ月あると考える」との見方を示した。

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