[北京 1日 ロイター] – 欧州連合(EU)のミシェル大統領は1日、訪問先の中国・北京で習近平国家主席と会談し、ウクライナ侵攻を続けるロシアに「影響力」を及ぼすよう改めて要請した。

ミシェル大統領は会談後に記者団に対し、北京の人民大会堂で行われた約3時間に及ぶ会談ではウクライナでの戦争に関する議題に「多くの時間」が割かれたほか、貿易や気候、人権、コロナ禍からの回復、新疆ウイグル自治区や台湾に関する問題についても協議したと明らかにした。

ミシェル氏は「4月のEU・中国首脳会議で行ったように、ロシアに国連憲章を尊重させるために影響力を行使するよう習氏に促した」と語った。

これに対し習氏は、中国がロシアに武器を提供することはなく、核の脅威は容認できないことを明確にしたという。

中国全土に広がっているコロナ規制抗議デモについても協議したとしつつも、習氏の反応については明らかにしなかった。

また、EUの企業や投資家が中国で直面している問題についても伝え、「欧州側では市場アクセスが非常に開放的であるのに対し、中国では複数の分野でより閉鎖的な状態が続いている」とし、「より均衡の取れた関係が必要だ」と述べた。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると、習氏はミシェル氏に対し、EUとの戦略的なコミュニケーションおよび協調を強化するとの意向を示した。

習主席は会談で「EUが中国に対する客観的かつ正しい認識を確立する」ことを望むと述べた。

また「中国は欧州企業に対して開放的であり続ける。EUが干渉を排除し、中国企業に公正で透明なビジネス環境を提供することを望んでいる」とした。

習氏もCCTVも、干渉が具体的に何を意味するのか詳しくは説明しなかった。

習主席は、中国とEUはマクロ経済政策の協調を強化し、共同で新たな成長エンジンを作るほか、産業サプライチェーンの安全性、安定性、信頼性を確保すべきと述べた。