[北京 16日 ロイター] – 中国指導部は来年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」で、経済安定に集中し、主要目標を確実に達成するために政策調整を強化する方針を示した。また、疫病予防と経済の発展をよりよく調整する必要があるとの認識を示した。

今年の中央経済工作会議は、中国が新型コロナウイルス感染抑制に向けた厳格な「ゼロコロナ」政策の解除を進める中、16日までの2日間の日程で開催された。

指導部は国営新華社通信を通して発表した声明で、来年は積極的な財政政策と慎重な金融政策を実施すると表明。財政政策は必要な支出を維持しながら一段と効率的に強化され、金融政策は流動性を適度に確保しながら的確かつ強力に実施されるとした。

「来年は安定を優先し、進歩に努める」としたほか、疫病の予防と制御、および経済と社会の発展をよりよく調整する必要があるとした。

また、中国は需要の縮小や供給面での衝撃などの圧力に直面しているとの認識を示し、内需を拡大し、消費回復を優先させ、来年の主要経済目標を達成するための措置を講じると表明。住宅問題については、「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」との原則を堅持すると改めて表明し、堅調な住宅需要の支援を確約した。

今回の中央経済工作会議について、ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストZhiwei Zhang氏は「消費刺激を来年の最優先課題としたことが最も重要なポイントだ。消費の伸びは現在、新型コロナによるパンデミック(世界的大流行)前と比べて極めて低い水準にあるため、こうした戦略は理にかなっている」と指摘。ただ「大規模な景気刺激策の実施は示唆されていない」と述べた。