ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて1年となるのに合わせ、国連総会では、ロシア軍の即時撤退とウクライナでの永続的な平和などを求める決議案の採決が行われ、欧米や日本など141か国が賛成して採択されました。

国連の193すべての加盟国が参加できる国連総会では、2日間にわたって緊急特別会合が開かれ、23日、欧米各国や日本などが共同で提案した、ロシアに対する決議案について協議が行われました。

決議案は、
▼「武力による威嚇や武力行使による領土の獲得は合法と認められない」とした上で、
▼「国連憲章の原則に基づいてウクライナにおける永続的な平和が可能な限り早期に実現される必要がある」としています。

そしてロシア軍に対し即時かつ無条件の撤退と、ウクライナの重要インフラ、学校や病院などの民間施設への攻撃の停止などを求めています。

緊急会合では2日間でおよそ80か国が演説したあと、日本時間の24日午前5時半すぎに採決が行われ、
▼欧米各国や日本など141か国が賛成、
▼ロシアや北朝鮮など7か国が反対、
▼中国やインドなど32か国が棄権し、
棄権と無投票を除く3分の2以上の賛成で、決議が採択されました。

この1年間に国連総会でロシアに対する決議が採択されたのは6回目で、賛成した国の数はこれまでで最も多かった143か国とほぼ同じで、ロシアの軍事侵攻に対する各国の批判を反映したものとなりました。

一方で、反対や棄権などに回りロシアへの配慮を示した国もおよそ50か国にのぼり、国際社会の分断も改めて浮き彫りにされました。

林外相 ウクライナの平和求める決議案に賛成を呼びかけ

ニューヨークを訪れている林外務大臣は、日本時間の24日未明、国連総会の緊急特別会合に出席し、演説しました。

この中で、林大臣は「193の国連加盟国は異なる立場を代表し多様な意見があるが、ウクライナの平和を望むという一点では一致できると信じている」と述べた上で、ウクライナが提出し日本などが共同提案国となった、ウクライナの平和を求める決議案に賛成するよう呼びかけました。

また、ロシアに対し即時に無条件で軍を撤退させるよう改めて求めるとともに、核兵器の使用や威嚇は決して許されないと強調し、ほかの国は、直接的にも間接的にもロシアへの支援を控えるべきだと訴えました。

そして「ウクライナの人々の悲惨な状況を思うと胸が張り裂けそうになる」として、国際社会と連携してウクライナへの支援を継続する方針を示しました。

さらに、国連の信頼を回復する必要があると指摘し、安全保障理事会の改革だけでなく国連全体の機能強化が必要だと訴えました。

林外務大臣は、ロシア軍の即時撤退やウクライナでの永続的な平和などを求める決議にみずから賛成票を投じたあと、記者団に対し「141票の賛成多数で採択されたことを大変歓迎している。国連加盟国の圧倒的多数がロシアによる侵略の即時停止を求めるとともに、ウクライナへの力強い支持を表明したものと考えている」と述べました。

その上で「平和とは単に敵対行為が停止すればよいものではない。主権や領土の一体性といった国連憲章の原則に基づく、包括的で公正でかつ永続的な平和でなければならない。その前提は、ロシア軍が即時に完全にかつ無条件に撤退することだ。同時に、ロシアの侵略による世界的な食料やエネルギー供給などへの影響に対処するための国際的な連携も必要だ」と強調しました。