[ワシントン 5日 ロイター] – 米労働省が5日発表した4月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は25万3000人増加で、エコノミストの予想(18万人増)を大幅に上回った。失業率は53年ぶりの低水準となる3.4%に改善した。労働市場が強さを維持していることが示され、米連邦準備理事会(FRB)は当面、利上げを継続する可能性がある。

3月の非農業部門雇用者数は23万6000人増から16万5000人増に下方改定された。

雇用の伸びの過去6カ月の月間平均は29万人。2月と3月の雇用増は合計14万9000人下方修正されたものの、労働市場は大きく減速しておらず、FRBの金融引き締めと信用状況の悪化で経済はまだ大きな影響を受けていないことが示唆された。

セントラルフロリダ大学経済予測研究所のショーン・スナイス所長は「労働市場がこのように力強さを維持していることでFRBのインフレ対応は一段と困難になる」とし、「FRBは金利を高水準にとどめざるを得ないだろう」としている。

4月の時間当たり平均賃金は前月比0.5%上昇。3月(0.3%上昇)から伸びが加速した。前年比では4.4%上昇。3月は4.3%上昇だった。賃金の伸びは高すぎる水準にあり、FRBが2%としているインフレ目標に合致していないとの見方も出ている。

平均週間労働時間は34.4時間と、横ばい。ただ総労働時間は0.2%伸びた。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「FRBが利上げ停止を示唆したのは間違っていたかもしれない。銀行危機が2、3回の利上げに相当する金融引き締め効果を及ぼしているという証拠は全く見られない」と指摘した。

4月の雇用増の大半はサービス部門が占め、専門職・ビジネスサービスは4万3000人増加した。しかし、将来の雇用の指標とされる派遣などの臨時雇用は2万3000人減少。2022年3月のピークからは17万4000人減少している。

レジャー・接客業は3万1000人増加したものの、パンデミック前の水準をなお40万2000人下回っている。

ヘルスケアは4万人増、金融も2万3000人増。

政府は2万3000人増加したものの、なおパンデミック前の水準を30万1000人下回る。

3月に減少していた製造と建設は増加に転じた。

全体の失業率が3.4%と1969年以来の低水準を付ける中、黒人の失業率も低下。4.7%と、過去最低を記録した。

家計調査によると、労働参加率は62.6%と横ばいだったが、25─54歳の年齢層では83.3%と、15年ぶりの高水準に上昇。 雇用創出能力を示す指標とされる働き盛りの世代の労働参加率は80.8%と、2001年5月以来の水準に上昇した。

EYパルテノン(ニューヨーク)のシニアエコノミスト、Lydia Boussour氏は「労働市場のリバランスにはFRBの予想より時間がかかっている」とし、「FRBが6月中旬の次回会合で追加利上げを決定する可能性について語るのは尚早だが、今回の雇用統計はデータへの依存度を高めているFRBを一段の引き締めに向かわせるものだった」と述べた。