[アンカラ 11日 ロイター] – 14日に投開票を控えるトルコ大統領選に立候補していた故国党のムハッレム・インジェ党首が11日、選挙戦から撤退すると表明した。

これにより候補者は現職のタイイップ・エルドアン氏と、主要野党統一候補ケマル・クルチダルオール氏を含めて3人に減り、インジェ氏支持者の票がクルチダルオール氏に向かえば、足元でやや優勢なクルチダルオール氏の勢いが増す可能性がある。

コンダの最新調査によると、クルチダルオール氏の支持率は49.3%で、エルドアン氏の43.7%を上回っている。インジェ氏の支持率は2.2%。14日にいずれの候補かの得票率が50%を超えれば、28日に予定される決選投票を経ずに当選が決まる。

この調査が実施されたのは6─7日で、コンダのマネジャーは「インジェ氏撤退でクルチダルオール氏が勝利する可能性は高まっている」と述べた。

クルチダルオール氏支持者の多くは、選挙に出馬したインジェ氏について野党票の分散につながるだけだと反発していた。

メトロポールの調査では、クルチダルオール氏とエルドアン氏の支持率はそれぞれ49.1%と46.9%で、決選投票になってもクルチダルオール氏が51.3%の票を確保して勝つ見込みだという。

トルコの主要株価指数は、インジェ氏撤退表明を受けて6%上昇。市場では、クルチダルオール氏の勝利でエルドアン氏が行ってきた非正統的な経済政策が転換されるとの期待が根強い。