[東京 5日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比693円21銭高の3万2217円43銭と、3日続伸して取引を終えた。5月の米雇用統計の結果を受けた前週末の米株高や、為替の円安が支援材料となり、日本株市場では幅広い銘柄で買いが先行。特に指数寄与度の大きい銘柄の上げが目立ち、指数を押し上げた。

日経平均は339円高と堅調にスタート。指数寄与度の大きい銘柄や主力株の一角が堅調に推移し、次第に上げ幅を広げ、3万2000円台を回復した。東証プライム市場では9割近くの銘柄が値上がりするなど、幅広く買いが優勢となった。後場には一段と騰勢が強まり、高値引けとなった。業種別では、原油先物の上昇を受けて鉱業や石油・石炭製品が堅調となったほか、為替の円安が支えとなり輸送用機器、機械もしっかりと推移した。

5月の米雇用統計の結果からは、労働需要の強さが確認された一方、平均時給の伸びの鈍化の兆しもみられ、市場では「米景気のソフトランディングシナリオの確度が高まったことが好感され、株高につながっている」(SMBC信託銀行の投資調査部長・山口真弘氏)との指摘が聞かれた。山口氏は、目先の日経平均について、為替の円安やコロナ禍からの経済回復など構造的な買い材料が多いとして「上値めどは3万3000円程度が想定される」と話した。

一方、米株の調整や為替が円高方向に振れた場合は、日本株にも下押し圧力がかかりやすく「(日経平均は)2万9000円程度まで下落する可能性もある」(国内証券・アナリスト)との意見もあった。

TOPIXは1.7%高の2219.79ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は1.7%高の1142.32ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は3兆8712億1900万円と、商いが膨らんだ。東証33業種では、電気・ガス以外の32業種が値上がり。機械、海運、繊維が値上がり率上位に入った。

個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリングが3.8%高、アドバンテストが3.3%高と堅調に推移した。

一方、前週末に低調な業績予想を公表したアインホールディングスは12.9%安となり、東証プライム市場の値下がり率トップに入った。

プライム市場の騰落数は、値上がり1625銘柄(88%)に対し、値下がりが164銘柄(8%)、変わらずが45銘柄(2%)だった。

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