・習主席の動向は潜在的な政策シグナルとして投資家が注視
・習主席が経済を軽視しているのではないかという懸念もあった

中国の習近平国家主席が24日午後、異例の中国人民銀行(中央銀行)訪問を行った。事情に詳しい関係者が明らかにした。10年前の就任以来、習主席がこれまで人民銀を訪れたことはなく、中国政府が景気と金融市場の支援を一段と重視している新たな兆しとなる。

  中国共産党の総書記でもある習主席は、何力峰副首相ら政府高官と共に北京の人民銀と国家外為管理局(SAFE)を訪問した。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。何副首相は政府系ファンド(SWF)も訪れたという。

  訪問の詳細は今のところ不明だが、習主席の動向は潜在的な政策シグナルとして投資家が注視している。共産党は金融業界に対する「中央集権的で統一された」指導力をうたっている。

     公表されている記録によれば、習主席がこれまで人民銀を訪れたことはなく、今回が初訪問。こうした訪問はこれまで首相や副首相が行うことが多かった。

  習主席の人民銀訪問は、政府が最近示している経済成長促進と市場安定化の動きを強化することになる。事実上の閣僚更迭が続き、米国との不安定な関係の中で習主席が経済を軽視しているのではないかという懸念も浮上していたことから、投資家にとって一定の安心材料となる可能性もある。

  関係者の1人はSAFE訪問について、中国の3兆ドル(約449兆円)に上る外貨準備について理解を深めることが目的の一つだと説明。中国は5年に一度の全国金融工作会議を非公開で来週開催する予定で、金融業界のリスクを防ぐ中期の優先課題を策定するとみられる。

  人民銀とSWFである中国投資(CIC)にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

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原題:Xi Makes Unprecedented PBOC Visit in Sign of Focus on Economy (抜粋)