何の役にもたたない自民党の老害政治家たちによる裏金づくりと、それに関連した議員の処分という醜悪な権力闘争にうんざりしている折、日本の将来に明るい火を灯すのではないかと思われる会社があることを発見した。発見したと言うのはちょっと大袈裟で、個人的に初めて知ったと言うべきだろう。米グーグル出身の著名研究者らが日本で立ち上げた人工知能(AI)開発の新興企業、「Sakana(サカナ)AI」(本社:東京・港区)のことだ。昨日、久しぶりに行った図書館で日経新聞をみてそんな会社があることに初めて気がついた。2023年7月創業のスタートアップ企業。米国の著名AI企業が莫大な資金を投入してAIを開発するのに対抗して、小さなAI企業を束ねて世界に通用するプラットフォームを作ることを目指している。イワシが群れをつくって広大な海を泳ぎ回るイメージだ。新鮮な響きがある。

日経新聞によるとこの会社、「創業から1年足らずで国内外から10人の異能が集い、企業価値は300億円規模に達した。米テクノロジー企業が主導する市場にゲームチェンジを仕掛ける」という。共同創業者の1人、デビット・ハC E Oは「日本でワールドクラスのAIラボをつくる」と宣言している。ゴールドマン・サックスでマネージング・ディレクターを務めた後、AI研究者に転身。グーグル・ブレイン(当時)日本の統括部門も経験している。もう1人の共同創業者ライオン・ジョーンズ氏は、グーグル在籍時の2017年に、現在の生成AIの爆発的な普及の土台となった論文の共著者の1人だったとある。なぜ日本なのか?ジョーンズ氏は「日本が好きだから」、それが理由と言う。答えはシンプルだ。もう1人の共同創業者・伊藤錬氏。外務省出身で世界銀行にも勤務。メルカリの執行役員も務めたことがあるという変わり種だ。このほかにも著名なスタッフが名を連ねている。

日経新聞によるとC E Oのハ氏は、「本当にインパクトのあるAIの研究をしたいのであれば、グーグルや米オープンAIの後追いをしているだけではいけない」と力説しているようだ。「他社と似たことをしていては埋没しかねないという意識も、東京を創業の地に選ぶ動機になった」と同紙は推測する。シリコンバレーから遠くはなれたほうが充実した研究ができるという意味か。これも非日本的な発想だ。何よりも小さな魚が群れをなして巨大魚と対等に渡り合うように、小さなAIを集めて世界に通用するプラットフォームを作るという発想が良い。1つ1つは小さいが、それを組み合わせることによって巨大なパワーを生み出す。四方を海に囲まれた小さな島国である日本人の発想にあっている。永田町という小さな世界で群れ同士がいがみあっている不毛な権力闘争を見慣れているせいか、日本で誕生した非日本的な「Sakana(サカナ)AI」に無限の可能性を感じるきょうこのごろだ。

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