イラン戦争は3日目に突入した。いつまで続くか。トランプ大統領は「戦争は4週間続く可能性がある」と発言している。どうなるか、見守るしかないだろう。それ以上に気になるのはイラン戦争収束後の世界だ。誰が主導権を握り、米国に対抗する国はどこか。様々な動きが水面で続いていくことだろう。昨日までの動きで気になった点は以下の通りだ。まずはプーチン。昨日湾岸アラブ4カ国の首脳と電話会談​を行い、「中東情勢の沈静化に向け支援する用意があると伝えた」(ロイター)。中東情勢よりウクライナ和平が先だろうと言いたくなる。それはともかくとして、イランと親密な関係にある中国はどうするのだろうか。中国は米国を批判しているが、習近平総書記に具体的な動きはない。今月末にはトランプ大統領の訪問を控えている。自重しているのだろうか。かつてイラク戦争を共に戦った英国は、米国のイラン攻撃に批判的だ。米国を非難するスターマー首相にトランプ氏は、「失望している」と発言している。

E Uの政治統合を目指すフランスのマクロン大統領は、「核抑止力の強化」を主張し始めている。これにドイツのメルツ首相が同調した。ウクライナの軍事支援で均衡財政の壁を部分的にぶち破ったメルツ氏も、マクロン氏と足並みをそろえたのだろか。NATOもこの先トランプ氏の支持は得られそうにない。となれば必然的にEUの政治統合がテーマに浮上する。イラン戦争は欧米の親密な関係に楔を打ち込む可能性すら予感させる。パレスチナ陣営はどう動くのか。トランプが主導する平和評議会も含め、米国と敵対的な関係をこれからも続けるのだろうか。イラン戦争の収束の仕方にもよるが、仮に米国・イスラエル連合がイランの体制転換に踏み込めば、パレスチナ陣営にも大きな衝撃が走るだろう。鍵を握るのが中国になる可能性もある。国内の経済不振と習近平批判が渦巻く中で、中国首脳部がイラン戦争後をどうみるか気になるところだ。今月末に予定されている米中首脳会談は予定通りに実施されるのだろうか。

トランプ氏はベネズエラのマドゥロ大統領を排除した。習近平総書記は同氏と親しい関係にあった。それに次いで今度はイランのハメネイ師を空爆で亡き者にした。親密な関係にあった二人が排除されても習近平氏は、トランプ氏との会談に応じるのだろうか。大きな注目点だ。仮にこの会談が実現したとすれば、二人で話し合うテーマは山ほどある。関税やレアアースだけではないだろう。妄想するにイラン後の世界秩序も検討課題になるだろう。これがテーマになると仮定すると、蘇ってくるのはグリーンランドを巡るトランプ構想だ。彼は西半球を米国が支配し、東半球は勝手にすればいいと発言した。東半球には南北米大陸以外のほぼ全ての国が含まれる。主要な国と地域はEU、ロシア、中東に中国だ。仮にトランプ氏が中国と取引すれば、東半球の地政学リスクも支配構造も劇的に変化することになる。トランプ氏はそこまで考えているとは思えないが、イラン戦争を巡る妄想が止まらない。