- 円が対ドルで一時急伸、157円32銭-その後158円42銭まで下落
- 4月の米小売売上高は3カ月連続で増加-消費の底堅さを示唆

14日の米金融市場で、S&P500種株価指数が続伸。終値ベースで7500を上回り、過去最高値を更新した。人工知能(AI)関連取引の復活が相場を押し上げた。朝方発表された小売り指標は、エネルギー価格の高騰にもかかわらず、消費の底堅さを示し、相場の支援材料となった。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 7501.24 | 56.99 | 0.77% |
| ダウ工業株30種平均 | 50063.46 | 370.26 | 0.75% |
| ナスダック総合指数 | 26635.22 | 232.88 | 0.88% |
外国為替市場では円が対ドルで一時、急上昇し、ニューヨーク前日終値比0.34%高の1ドル=157円32銭を付けた。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は、前日終値からほぼ横ばいの1バレル=101ドル台で取引を終えた。原油相場が落ち着いたことも投資家心理の改善に寄与した。
半導体関連株の上昇がS&P500種の上昇をけん引した。エヌビディアは7営業日続伸し、時価総額は6兆ドルが視野に入った。シスコシステムズは前日の通常取引終了後に堅調な業績見通しを発表したことを受けて、株価が13%上昇した。14日に新規上場したAI半導体のセレブラス株は、公開価格と比較して68%高で取引を終えた。
4月の米小売売上高は市場予想と一致し、3カ月連続で増加した。前月の1.6%増(改定値)に続き、0.5%増となった。イラン戦争に伴うガソリン価格の急騰にもかかわらず、消費の底堅さが確認された。
eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は、「4月の小売売上高は、ここ数週間に企業決算説明会で繰り返されてきた内容を裏付けるものだった。ガソリン価格が急騰する中でも、米消費は底堅さを維持している」と述べた。「一方で、株式市場に関して言えば、現在相場を主導しているのは消費ではなくテクノロジー株だ」と加えた。

ナベリア・アンド・アソシエーツのルイス・ナベリア氏は、不透明感が強い局面では、ファンダメンタルズが優れた銘柄を積極的に保有することが最善の防御策だと述べた。データセンターやAI関連企業では受注残が積み上がっており、次の四半期の利益はさらに力強い内容になる可能性があると指摘した。
企業利益の拡大が続くとの見方が、エネルギーコスト上昇によるインフレ加速と消費者マインド悪化への懸念を打ち消している。ブルームバーグ・インテリジェンスの集計データによると、S&P500種に採用されている企業の第1四半期利益は前年同期比約27%増となったとみられる。2桁増益は6四半期連続となる。
ベルウェザー・ウェルスのクラーク・ベリン氏は、米企業がさまざまな経済環境に対応する力を大きく高めていると指摘した。イラン戦争に伴う3月の株安局面で新たな資金を投じる機会を逃した投資家に対しては、「今からでも遅くない」と語った。
また、「株式市場は依然として不安の壁をよじ登っている段階にあり、熱狂状態にあるとはみていない。実際には懐疑的な見方もなお多く、それは今回の強気相場にまだ上昇余地があることを示唆している」と述べた。
米国債
米国債相場は総じて下落した。利回りは終盤にかけて上昇幅を拡大する展開だった。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 5.03% | -0.6 | -0.13% |
| 米10年債利回り | 4.48% | 1.2 | 0.26% |
| 米2年債利回り | 4.02% | 3.6 | 0.90% |
| 米東部時間 | 16時48分 |
指標となる10年債利回りは13日に4.5%を上回り、昨年6月以来の水準を付けていた。この日は一時3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて4.43%を付ける場面があったが、その後、上昇に転じた。
BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、イアン・リンジェン氏は、10年債利回りについては4.5%が「当面の目安として意識されているようだ」とリポートで指摘した。一方で、「4.50%の水準で頭打ちになったと判断するのは時期尚早で、市場はより高い利回り水準を試す前のもみ合い局面にある可能性がある」との見方を示した。
短期金利先物市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の動きが利上げとなる確率が50%超織り込まれている。一方で、一部の投資家はFRBが利下げを再開する可能性をなお排除していない。
TDセキュリティーズのストラテジストは、FRBが今年中に利下げに踏み切るとの見方を取り下げた。一方で、2027年には0.25ポイントの利下げが3回行われると引き続き予想している。「労働市場が加速するリスクは低く、インフレ期待も十分に抑制されている」ためだとしている。
外為
外国為替市場でドル指数は4日続伸。週間ベースでは今年3月以降で最大の上昇となる見込みだ。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1197.58 | 3.84 | 0.32% |
| ドル/円 | ¥158.41 | ¥0.55 | 0.35% |
| ユーロ/ドル | $1.1667 | -$0.0044 | -0.38% |
| 米東部時間 | 16時48分 |
円相場は対ドルで4日続落。ニューヨーク時間午前には、一時対ドルで1円近く上昇して、前日終値比0.3%高の157円32銭を付ける場面もあった。
直前には、4月30日に日本当局が介入した水準以来の日中安値である158円17銭まで円安が進んでいた。急伸後は再び下げに転じ、158円42銭を付けた。
ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏は、これまでのドル・円の値動きから判断すると、この日の動きが日本財務省による円買い介入だったとは考えにくいと指摘。ただ、財務省が介入戦略を変更している可能性は頭に入れておく必要があると述べた。
円は東京時間にも一時、急伸する場面があった。日本銀行の増一行審議委員は金融政策運営について、景気下振れの兆しが明確にならなければ、できるだけ早期の利上げが望ましいとの見解を示した。
主要10通貨(G10)全てが対ドルで下落した。原油やコモディティー(商品)相場が落ち着きを示したことを受けて、豪ドルとノルウェー・クローネの下げが目立った。
ポンドは対ドルで4日続落した。先週の地方選での大敗を受け、英国の与党・労働党内でスターマー首相に対する退陣圧力が強まっていることが背景にある。
原油
ニューヨーク原油先物相場は前日とほぼ変わらず。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、イラン戦争や原油貿易について協議した。
ホワイトハウスによると、米中は両国間の原油貿易拡大について話し合ったほか、イランの核兵器保有を認めないことでも合意した。
関連記事:台湾問題で対応誤れば「衝突」と習氏、トランプ氏は9月訪米招待 (1)
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「事態が紛争激化よりも外交的努力の方に傾いているようにみえる限り、市場の関心は出口に集中する。つまりホルムズ開通で流通が再開される時期だ。ただし、その時期は後ずれを続けている」と述べた。
中東紛争は終結のめどが立っていない。イランは14日、中国籍の船舶にホルムズ海峡通過を許可すると明らかにした。オマーン湾ではホルムズ海峡付近で商業船が制圧され、イラン領海に向かっていると英海軍部隊が述べた。イランが同海峡の航行で統制を強めていることを示す新たな兆候とみられる。
関連記事:UAE近海で商業船だ捕、ホルムズ巡り再び不透明性-米支配力に打撃
国際エネルギー機関(IEA)は前日の石油市場報告で「世界の原油在庫がすでに記録的なペースで取り崩されている」と指摘。紛争が来月終結したとしても、市場は10月まで「深刻な供給不足」の状態が続くと分析した。

US-China Talks Begin With Focus on Trade, Taiwan and Iran5:04動画:米中首脳会談の分析を伝えるブルームバーグテレビジョン
ホルムズ海峡を通じて輸送される原油と燃料は、1-3月期(第1四半期)に日量600万バレル近く減少したと、米エネルギー情報局(EIA)が報告した。戦争開始以降、ペルシャ湾を脱出した石油タンカーはわずかにとどまる。
ペルシャ湾では散発的な攻撃が起きているものの、4月上旬に取り決められた停戦は維持されている。しかし米国とイランの間では、見解の相違解消と和平案合意に向けた進展が見られない。ホルムズ海峡は事実上の閉鎖が続き、世界へのエネルギー供給が絞られている。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比15セント(0.2%)高い1バレル=101.17ドルで終了。北海ブレント先物7月限は9セント(0.1%未満)上昇の105.72ドルで終えた。
金
ニューヨーク金相場は下落した。インフレ再燃で政策金利が高止まりする可能性が意識されている。
金スポット価格はオンス当たり4700ドルを下回った。前日は4月の米生産者物価指数(PPI)統計を受けて、0.6%下落していた。10年債利回りが7月以来の水準に上昇し、利息を生まない金投資を圧迫した。
金はイラン戦争初期に急落した後、狭いレンジで推移している。紛争が長期化する中で、投資家がインフレリスクと成長懸念の間で揺れ動いているためだ。
ABCリファイナリーの機関投資家向け世界責任者、ニコラス・フラッペル氏は、市場が見極めたいのは中東紛争終結とホルムズ海峡完全再開の可能性だと話す。海峡封鎖が解除されれば、金相場にはドル安と中央銀行による引き締め姿勢緩和という追い風が吹くと述べた。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時50分現在、前日比19.16ドル(0.4%)下げて1オンス=4669.60ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は21.40ドル(0.5%)安の4685.30ドルで終えた。
欧州
14日の欧州債券市場は、世界的な原油価格の下落を受け、上昇幅を広げた。市場に比較的友好的な姿勢で知られる英国のストリーティング保健相が、スターマー首相に党首選実施を求めて辞任したことを受け、英国債は他国債を上回るパフォーマンスとなった。
ドイツ2年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.66%となった。イールドカーブはわずかにブル・スティープ化した。
英国債は2日連続上昇した。政治情勢に最も敏感な英30年債利回りは9bp低下して5.65%、2年債利回りは6bp低い4.42%だった。
欧州株は2日続伸した。テクノロジー株が上げを主導した。
ストックス欧州600指数は0.8%上昇し取引を終えた。指数の主要銘柄であるASMLホールディングが、米テック企業の好決算の影響で3%上昇した。シーメンスは伊メル・メックから複数の事業を買収することで合意し、2.6%上昇した。
鉱業株と金融サービス株は出遅れた。金融サービスは、プライベートエクイティ(PE、未公開株)のスリーアイが、主要投資先企業の売上高の減速により13%急落したことが重しとなった。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の協議も注目されており、トレーダーは通商政策やイラン戦争に関する手掛かりを探っている。
ベレンベルクのマルチアセット戦略・調査責任者のウルリッヒ・ウルバーン氏は「今の欧州株上昇は単なる追随的な動きで、和平への期待や米中関係改善への期待に支えられている」との見方を示した。
5月14日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
| 株 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ストックス欧州株600 | 616.05 | +4.63 | +0.76% |
| 英FT100 | 10,372.93 | +47.58 | +0.46% |
| 独DAX | 24,456.26 | +319.45 | +1.32% |
| 仏CAC40 | 8,082.27 | +74.30 | +0.93% |
| 債券 | 直近利回り | 前営業日比 |
|---|---|---|
| 独国債2年物 | 2.65% | -0.06 |
| 独国債10年物 | 3.04% | -0.06 |
| 英国債10年物 | 4.99% | -0.07 |
原題:Stocks Rise After Retail Sales Data as Cisco Soars: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Trim Early Gains, Leaving Yields Near Highs of Year
Dollar Rises to May High; Pound Down on Burnham Run: Inside G-10
Oil Steady After Trump-Xi Talks as Iran War Remains in Limbo
Gold Fluctuates as Market Weighs Federal Reserve Rate Path
European Bonds Rally on Easing Oil Prices: End-of-Day Curves
European Stocks Gain for a Second Day as ASML, Siemens Advance