(CNN) トランプ米大統領がホルムズ海峡に通航料を課す計画を打ち出したことで、湾岸の同志国や自身の側近の多くに衝撃が走り、要求を撤回するよう説得すべく国際的な働きかけが始まった。事情に詳しい複数の関係者がCNNに明らかにした。

トランプ氏の周囲は13日に突如発表されたこの構想について、追求することのないよう数カ月にわたって本人に警告していた。米国の戦争目的を損なうだけでなく、イランがもくろんでいるとされる通航料徴収計画を正当化することにもなりかねないとの懸念があったからだ。政権は再三イラン側の計画を違法と位置付けていた。

しかし、海峡を巡る争いが激化して米国が再び本格的な戦争に引き戻される状況を目の当たりにし、いら立ちを募らせたトランプ氏はそれでも構想を推し進めた。

「米国は今後、『ホルムズ海峡の守護者』として知られることになる」。トランプ氏は13日午前、SNS「トゥルース・ソーシャル」にこう書き込み、海峡を通過するすべての貨物に20%の通航料を課すと表明した。

この予想外の指示を受け、政権内や中東各国はその後の24時間、トランプ氏のその場の思いつきに見える提案を具体的に読み解こうと躍起になった。14日に計画は撤回されたものの、今回の一件は、終結への明確な方策を持たない長期戦のさなかでさえ、トランプ氏の外交政策が自由奔放で取引的な色合いを持つことを改めて浮き彫りにした。

側近らは13日、前例のない通航料制度の新設に向け具体化を急いだ。この実務には誰が料金を支払い、どのように徴収するのかを決める作業も含まれていた。

一方、湾岸諸国の首脳らは、時間切れになる前に構想そのものを断念するよう電話で説得すべく必死に動いていた。

14日午前までに、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタールなど各国のあわただしい働きかけが功を奏した。米国が通航料を徴収する代わりに、金額は未定だが新たな投資を米国に振り向けると各国が約束したと、トランプ氏が発表したのだ。

湾岸諸国は米国への投資額について数兆ドルを約束しているが、今後数年で実際にどの程度支出するのかは不明だ。

米国が先週、イランへの攻撃を再開して以降、トランプ氏は戦争に事実上勝利しており、もう一度短期間の集中的な爆撃作戦を行えばイランを屈服させられると主張。その間もホルムズ海峡は無料で開放されていると強調してきた。

こうした主張は今のところ、現地の現実と食い違っている。イランは海峡を通過しようとする船舶を十分に脅かす能力を保持し続けている。結果として海峡を通る船は急減し、原油価格は米国とイランが先月和平合意を結ぶ以前の水準にまで急騰した。