高市首相が国連総会で行う一般討論演説で、緊迫する中東情勢を受け、湾岸諸国の経済・エネルギー供給の 強靱 化に向けた包括的な協力計画の策定を表明することがわかった。人工知能(AI)の進歩を「安全保障上の挑戦」と位置づけ、偽・誤情報対策に取り組む考えも示す。「世界一の防災大国」を目指し、気候変動対策の重要性も訴える見通しだ。
複数の政府関係者が明らかにした。首相は22日午後(日本時間23日午前)、米ニューヨークの国連本部で演説に臨む。就任後、国連での演説は初めてとなる。
演説では、ロシアによるウクライナ侵略や米イラン情勢を念頭に「国際秩序に大きな揺らぎが生じている」と指摘。日本の国連加盟から今年で70年を迎えることを踏まえ、国連や国際社会で大きな責任を果たしていく決意を示す。
その上で、自身が掲げる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化や、金融支援などを通じたエネルギー調達の枠組み「パワーアジア」を主導した実績を訴え、湾岸諸国のための新たな「包括的な協力計画」に言及する。ホルムズ海峡を 迂回 するパイプライン整備や中東諸国への資金面での支援などを想定している。
AIに関しては、人類に飛躍的な機会をもたらす一方で、「安全保障上の挑戦にもなっている」と表現し、偽・誤情報拡散などへの対策強化を訴える。2023年の先進7か国首脳会議(G7サミット)で、国際ルール作りを推進する「広島AIプロセス」を提唱した経緯に触れ、AIの安全利用に向けた協力を加速するため、各国首脳らによる「AIサミット」を日本で早期に開催すると説明する。今年2月にインドで開催されるなど過去に4回開かれており、28年の日本開催を目指している。
防災分野では、世界各地で深刻な自然災害が多発する中、国連防災機関(UNDRR)主催の「アジア太平洋防災閣僚級会議」を来年10月に仙台市で開くなど、日本が対策を主導することに意欲を示す。「気候変動対策と経済成長は両立できる」と述べ、日本が誇る省エネ技術の普及などを通じて世界的な対策に貢献する姿勢も強調する方針だ。