[高市政権1年]

 ――高市政権発足からの1年間をどう振り返るか。

 一番印象深く、非常に苦悩したのは政権が発足した時だ。高市首相が自民党総裁選で総裁に選ばれたのは10月4日だが、首相指名選挙があった10月21日までにいろんなドラマがあった。

 まだ人事などは言われていなかったが、首相から「手伝って欲しい」と言われ、官房副長官となる尾崎正直さんと佐藤啓さんと私の3人が呼ばれ、お手伝いをすることになった。

 石破首相が在任中だったので、首相官邸ではなくホテルの会議室をずっと借りて、そこで連日、「高市首相」誕生に向けて準備をしていた。次の国会で首判指名を受けるまでの間、いろんな準備しなければいけなかった。所信表明演説を控えており、首相秘書官を選ぶ必要もあり、3人で考えながらやった。「一国の首相」を作っていく、その下支えをしていく準備というのは非常に苦労があった。

 当時は衆参両院ともに「少数与党」で、公明党が連立政権から離脱した。21日の首相指名選挙では、高市総裁が指名されない可能性があった。そこは非常に悩んだところだった。

 私や高市首相にしてみると、日本維新の会には自民党が最も苦しいときに新たに連立を組むという重大な決断をしてもらった。大変ありがたかった。

 ――長期政権へ向けてどういう役割を担いたいか。

 首相というのは、日々重要な判断をしていく存在だと思う。判断や決断を間違ってはいけない。そのためには入念な準備が必要だ。首相の判断の精度をより高めてもらうために、判断材料となる情報を過不足なく提供することが役割だと、私は1年間、常に意識してきた。

 首相の判断を正しく周りに伝えなければいけない。なぜ首相がその判断に至ったのか、丁寧に説明することも重要だ。自民党の同僚議員や、維新に加え、野党の議員にも少しでも多く(政策に)賛同してもらえるよう努めることも大切で、私を含め首相を支えるスタッフの役割だ。これからもその仕事は続いていくのだろうなと思っている。

 ――維新にはどんな役割を期待しているか。

 維新が我々と連立を組む決断をした理由の一つは、政策的に近いと思ってもらえたことだと思う。一言で言うと、非常に波長が合う関係だ。

 連立はうまく機能しているし、これからも連立の良きパートナーでいてもらえると思っている。特に今国会からは維新の中司宏・前幹事長が規制改革相として閣僚に加わって閣内協力となり、両党の信頼関係は確固たるものになった。

 維新の皆さんには、自民党の中では言いにくいようなことをどんどん、きちんと指摘をしてほしい。実際そうしてもらっていると思う。今までもその役割を担ってもらっているが、これからもそういう役割を果たしてもらいたい。

 維新との連立合意書は、高市総裁の任期の2年間でやるべきことを想定して作ったものだ。今ちょうど1年がたったが、残りまだ1年間残っている。新しい政策より、連立合意書のうち、未達のものを着実に実行していくことが重要だ。