【ソウル時事】米韓両軍は1日、朝鮮半島有事を想定した定例の米韓合同軍事演習を韓国や周辺海域で開始した。今年は時期が重なった2~3月の平昌冬季五輪・パラリンピックの安全に配慮して演習開始を延期。米韓両軍は「例年と同様の規模」と説明しているが、27日の南北、5月末までの米朝首脳会談開催へ調整が進む中、対話ムードに水を差さないよう抑制的な内容になる見通し。

 北朝鮮は例年、米韓演習に強く反発してきたが、訪朝した韓国の鄭義溶国家安保室長は3月、「(金正恩朝鮮労働党委員長は)米韓軍事演習の実施に理解を示した」と説明。韓国政府が同20日に演習実施を発表した後、北朝鮮国営メディアは反応を示していない。

1日からは約4週間にわたる野外機動訓練「フォール・イーグル」が始まり、米軍約1万1500人と韓国軍約29万人が参加。今月中旬からは指揮系統を確認する「キー・リゾルブ」が約2週間行われ、米韓両軍計約2万2000人が加わる予定だ。米韓の複数の軍当局者によると、米軍は演習期間中、空母を派遣しない方針。両軍の参加人員は過去最大規模とされた昨年と同規模だが、演習期間は約半分に短縮される。

韓国メディアによれば、米韓海軍や海兵隊は1~8日、北朝鮮への上陸を想定した「双竜訓練」を実施。米軍は同訓練に強襲揚陸艦「ワスプ」を投入する見通しで、同艦での運用が始まった最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載して参加するとみられる。