[ニューヨーク 28日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対して上昇した。米国と主要貿易相手国の対立がさらに激化する要因が見られず、円買いが弱まった。

ドル/円は0.26%高の110.54円。

ドルは27日に急伸。トランプ米大統領が同日、中国企業による米ハイテク技術獲得への対応で、中国に特化した制限を課すのでなく、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査を強化する方針を表明したことを受けた。

OANDAのシニア通貨アナリスト、アルフォンソ・エスパルザ氏は「現在は週中のやや閑散期と見ており、ドルには対円で良い状況になっている」と指摘。リスク選好が高まる反面、安全資産とされる円への需要は低下しているとの見方を示した。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.08%高の95.34.この2日で約1%上昇した。

この日発表された第1・四半期の米国内総生産(GDP)確報値は、個人消費が約5年ぶりの弱い伸びとなり、年率換算で前期比2.0%増と下方改定された。これを受けてドル指数は序盤に弱含んだが、その後はオーバーナイトで付けた約1年ぶり高値の95.531付近まで戻す場面もあった。

ユーロEUR=は対ドルでほぼ横ばい。6月のドイツ消費者物価指数(CPI)速報値が前年比2.1%上昇と、欧州中央銀行(ECB)の目標を2カ月連続で上回ったことが支援した。

英ポンドは0.3%安と、昨年11月以来の水準に下落。この日始まったEU首脳会議で、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る交渉が進捗していないことが浮き彫りになると投資家らは懸念している。

中国人民元CNY=CFXSは、貿易摩擦を巡る懸念から対ドルで7カ月ぶりの安値を付けた。

一方、7月1日のメキシコ大統領選を控え、ドルは対ペソMXN=で2.24%の大幅安となった。

ドル/円
NY終値 110.48/110.51
始値 110.18
高値 110.64
安値 110.07

ユーロ/ドル
NY終値 1.1567/1.1571
始値 1.1591
高値 1.1600
安値 1.1552