[ロンドン 4日 ロイター] – イランのロウハニ大統領は4日、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長と会談し、IAEAへの協力に消極姿勢をとる可能性を示した。ロウハニ氏はこの日早く、米国はイラン原油禁輸の結末を考えもしなかったとした上で、米国の脅しに屈しない姿勢を強調した。

国営イラン通信(IRNA)が報じた。ロウハニ氏は「IAEAへの協力度合いが変わった場合の責任は、現在の新たな状況を作り出した者にある」と指摘した。

ロウハニ氏は「米国はイランの原油輸出をゼロに減らしたいそうだが、それがどういう結果をもたらすのか、米国は考えもしなかったことが分かる」とも述べた。

イラン革命防衛隊のエスマイル・コサリ司令官は4日、米国が敵対的な行動をとれば、報復措置としてペルシャ湾岸の原油輸出を阻止すると明言した。

「イランの原油輸出を阻止したいと考えているのなら、原油のホルムズ海峡通過を一切認めない」と語った。ヤング・ジャーナリスト・クラブが同氏の発言としてウェブサイトで伝えた。

ロウハニ氏はウィーンで、核合意存続に向け奔走中だ。米国の制裁について「犯罪であり攻撃」と指摘し、トランプ氏に立ち向かうよう欧州など各国に呼び掛けた。

同氏は「イランはこれまでと同様、今回の一連の米制裁を乗り切ってみせる。米国の現政権が永久に続くことは無い。ただ他国に対する歴史的評価は今日の行動に基づいて行われる」と述べた。