• 農家への直接の支払いや食料援助用農産物買い上げなど組み合わせ
  • 農業州選出の共和党議員は支援計画を批判、貿易戦争の終結求める

トランプ米政権は国内の農家に対し、120億ドル(約1兆3300億円)規模の支援を実施する。貿易戦争では米国が課した輸入関税に対する報復措置で、農業が主な標的とされている。

パーデュー農務長官は24日に記者団に対し、農家への直接の支払いと、食料援助プログラム向けの農産物買い上げ、新たな輸出市場の拡大強化を組み合わせた支援になると説明した。

トランプ大統領に最も忠実な支持者の一部が貿易政策で打撃を受けていると警告してきた農業州選出の共和党議員は同計画を批判。大豆などの農産物の価格を押し下げている貿易戦争を終結させる方が農家にとって好ましいと指摘した。

モラン上院議員(カンザス州)は「問題解決に十分な資金では決してないだろう。農家や牧場経営者はトランプ政権の配慮を認識している。彼らが心配なのは関税だ」と述べた。

価格下支え計画は議会の承認が不要で、大豆生産で全米トップのアイオワ州をトランプ大統領が訪問する2日前に打ち出された。パーデュー長官は9月初めまでに支援の詳細が発表されると説明した。米国産豚肉や大豆などの大口購入者である中国やカナダなど貿易相手国との貿易摩擦のあおりで、生産者は値下がりや在庫増加に見舞われているが、追加支援がそうした痛手を軽減しそうだ。ただ、貿易摩擦が長期化し、秋の収穫期や中間選挙まで長引けば、トランプ大統領にとって重要な政治基盤の農村部で支持が揺らぐ恐れもある。

24日の米株式市場では農家支援計画の発表を受け、ディアなどの農機具メーカーの株価が上昇。シカゴ商品取引所(CBOT)の大豆先物も値上がりした。

原題:Trump Administration Plans $12 Billion Aid Package for Farmers(抜粋)