今朝の毎日新聞によるとリオデジャネイロ五輪で日本女子体操の代表だった宮川紗江選手(18)が29日に記者会見を行い、「塚原千恵子女子強化本部長らからパワーハラスメントを受けた」と主張したことに関して、日本体操協会はきのう第三者委員会を設置することを決めた。このところスポーツ界に絡んだ不祥事が相次いで発覚している。スポーツ界の内情に疎い素人から見れば、「一体どうなっているの」と言いたくなる。2020年には東京オリ・パラが控えている。内紛どころではないはずだ。この件では宮川選手の主張と塚原強化本部長の言い分が食い違っているようだ。弁護士を含めた第三者員会で真相を究明するということだから、その報告を待つしかない。

この手の不祥事が発覚するとテレビのワイドショーを中心に「ああでもない、こうでもない」といった関係者の発言が山のように発信される。今回の件についてどちらに言い分があるか見極める前に、これを不祥事とし取り上げるメディアの報道姿勢をチェックする必要がある。テレビ局による朝の情報番組では例によって例のごとく、この問題が早速取り上げられていた。全ての局をみたわけではないが、どの局も似たり寄ったりの内容だろう。関係者の発言を取り上げ、コメンテーターやスポーツ評論家が論評を加えていく。事実かどうかわからないが、とりあえず当事者の発言をボードに書き出し、これに寸評が加えられていく。

テレビの情報番組はワイドショーであり、ニュース番組ではない。そのせいか、事実の確認はいたるところで杜撰だ。メディアの多くは当事者の発言の一部を切り出し、あたかもそれが“事実”であるかのように伝えている。テレビの情報番組をみながらいつも感じるのは、この処理の仕方に問題があるということだ。記者会見での宮川選手の発言はそのままストレートに視聴者に伝えられる。反面、本部長がパワハラを行った場面の発言は、ビデオやテープに録音されているわけではない。被害者の発言や周囲にいた関係者の証言などを部分的に切り出し、パワハラ発言として定着させているだけである。メディアは問題発言の全体像をもっと取材してから情報として発信をすべきだ。未確認の“事実”に寸評が加えられていけば、本当の事実はどんどん分からなくなる。