外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を新設する出入国管理法改正案に絡み、立憲民主党がまとめた対案の原案が31日、判明した。外国人労働者を一般・単純労働の区別なく受け入れる一方、受け入れ総数に上限を設ける新制度の創設が柱。制度導入のための関連2法案を国会に提出することも明記した。11月1日の党政調審議会で示す。

 新制度は、悪質ブローカーらが介在した不法就労が横行している現状を踏まえ、日本と送り出し国との条約に基づく公的な枠組みで運営する。制度変更に伴い、現行の外国人技能実習制度は段階的に廃止する。

外国人労働者の家族同伴と移動の自由については、入国・就労開始後の一定期間(3年または5年)は制限し、在留資格更新ごとに段階的に緩和する方向で検討する。外国人労働者に対しては生活上必要なレベルの日本語能力習得を求め、教育機関に通わせるための費用負担などを政府と自治体、事業主に義務づける。

外国人労働者の受け入れ総数は、雇用情勢などに左右されない「制度的な上限」として定め、労働力不足の深刻度に応じて産業分野や地域ごとに割り振る。

日本人の雇用環境悪化を懸念する声に配慮し、「国内労働者の就労機会の増進や賃金・労働条件の向上努力」が外国人受け入れ拡大の前提になると記した。

一連の新制度を所管する官庁として「多文化共生庁(仮称)」を総務省または内閣府の下に新設することも盛り込んだ。