14日の米株式市場で、カリフォルニア州最大の公益事業会社PG&Eの株価が急落した。同州で大規模な山火事が発生したが、PG&Eの機器が出火の原因だった可能性が指摘されており、同社経営に対する危機感が強まっている。

PG&E株は一時31%安。同社はこの日、回転信用枠から全額引き出したことを明らかにし、資金繰りの悪化が示唆された。企業概要

✳︎PG&E (PG&E Corporation) はエネルギー持株会社。カリフォルニア州北部と中部の公益事業を保有し、発電、電力の調達・送電・配電、天然ガスの調達・輸送・貯蔵を手掛ける。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェイミン・パテル氏は「PG&E破綻のリスクは非常に現実的なものになっている」と指摘。「山火事が拡大するにつれ、破綻リスクは高まる」と加えた。

壊れて傾いた電柱(カリフォルニア州パラダイス、11月13日)、Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

14日付の届け出によれば、PG&Eは現金および現金同等物を合計34億6000万ドル(約3940億円)、また山火事の保険の補償として14億ドルを保有。シティグループのアナリスト、プラフル・メータ氏は14日の調査リポートで、カリフォルニア州北部での山火事の被害額は最大150億ドルに達する可能性があると指摘した。

PG&Eにはコメントを求めて電話をかけたがこれまで返答はない。

PG&E株は5営業日続落となっており、山火事が発生した8日以降の下落率は48%に達している。カリフォルニア州当局は、山火事の原因となった可能性があるとしてPG&Eの機器を調査している。今回の山火事ではこれまでに少なくとも48人が死亡した。

原題:PG&E Plunges Into Crisis as It Confronts Reckoning Over Fires(抜粋)