[上海/サンフランシスコ 14日 ロイター] – 米アップルは14日、米半導体大手クアルコムとの特許侵害を巡る訴訟で中国の裁判所がiPhoneの一部機種の販売を差し止める仮処分を出したことに関連して、今後起こり得る問題に対応するため、来週初めにソフトウエアのアップデートを行うと明らかにした。

クアルコムは10日、特許侵害を巡る米アップルとの訴訟に関連して中国の裁判所がiPhoneの旧機種の販売を差し止める仮処分を出したと明らかにした。アップルがクアルコムのソフトに関する特許権2件を侵害していると判断したという。

アップルとクアルコムは複数の国で特許を巡り係争しており、中国ではクアルコムが2017年に、タッチスクリーンで写真のサイズを変更したりアプリを管理したりする機能に関連した特許をアップルが侵害したとして訴訟を起こした。

ソフトのアップデートについて、アップルはロイターに送付した文書で「現在中国で販売しているiPhoneに基づくと、われわれは順守していると考えている」との見方を示した。

「この件に関する特許権2件の機能面での小さな問題に対応するため、中国のiPhoneユーザーのためのソフトウエアのアップデートを来週初めに行う」「裁判所命令の順守に関して、浮上する可能性のある懸念に対応するためだ」と説明した。

アップルは10日、判断の見直しを裁判所に要請したことを明らかにしている。

iPhone販売差し止めについて、アップルは見直し要請の中で、中国当局に支払う税金の収入のほか、供給業者や消費者に影響が及ぶと訴えた。

クアルコムの法務顧問、ドン・ローゼンバーグ氏は声明で、ソフトの変更を予定しているとはいえ、「アップルは裁判所の命令を無視し、違反し続けている」と指摘。アップルは直ちに、命令で指摘された機器の販売などをやめ、裁判所の判断に従っていることを証明する法的義務を負うと主張した。