[ハノイ 27日 ロイター] – トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日、ベトナムの首都ハノイで2回目の首脳会談を行った。米政府は今回の会談で平和と発展を確約する見返りに核を放棄するよう説得したい考え。米ホワイトハウスは、両首脳が28日の会談後に「合意文書」に署名すると発表した。 

トランプ大統領と金委員長はハノイのメトロポールホテルでこの日夕方、約20分間の1対1の会談を実施。その後、米国のポンペオ国務長官とマルバニー大統領首席補佐官代行、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長と李容浩(リ・ヨンホ)外相が同席する夕食会に臨んだ。 

両首脳は夕食会に入る前、両国国旗の前で笑顔で握手。トランプ氏は記者団に対し、会談は成功すると発言。非核化問題で譲歩するのかとの記者団の質問に対しては「ノー」と答えた。 

夕食会後、トランプ氏は「すばらしい会談だった」とツイッターに投稿し、「極めて良好な対話」を行ったとした。 

昨年6月にシンガポールで行われた1回目の会談で、金委員長は朝鮮半島の非核化に向けた取り組みを確約。ただその後はほとんど進展は見られていない。 

金委員長は2回目の首脳会談実現を阻害する要因は解消したとの考えを示し、北朝鮮との対話を開始したトランプ大統領の「勇気ある決断」を賞賛。「現在、ここで再会談が実現したことで、誰もが歓迎するすばらしい結果が得られると確信している。その実現に向け最大限の努力を行いたい」と述べた。 

ホワイトハウスによると、両首脳は28日に再びメトロポールホテルで45分程度の1対1の会談を行う。会談の終わりに「合意文書の署名式」を行い、その後、現地時間午後3時50分(GMT0850、日本時間午後5時50分)にトランプ大統領が記者会見を行う。 

ホワイトハウスは両首脳が何に関して署名するのか具体的に明らかにしていないが、両国はこれまでに、1950─53年の朝鮮戦争の終結を宣言する政治宣言についても協議を行っている。 

トランプ大統領は 朝鮮戦争の終結を正式に宣言するかとの質問に対し、トランプは「様子を見よう」とのみ回答。夕食会前に記者団に笑顔で、「われわれの関係は極めて特別な関係だ」とし、「明日は忙しくなる」と述べた。 

ただアナリストは終結宣言について時期尚早との見方を示しているほか、専門家の間では終結宣言が北朝鮮の非核化につながるのか慎重な見方も出ている。 

トランプ大統領は会談前、「ベトナムは大いに栄えている。北朝鮮も非核化すればすぐに同様に栄えるだろう」とツイート。「友人の金正恩氏にとって過去に例を見ないほどの大きな機会がある。可能性は計り知れない」と述べた。