• 米中交渉合意にトランプ氏は悲観的、香港でデモ続く
  • 英新内閣は離脱に本気、米仏対立、コーツ長官が近く辞任か

30日の上海での通商交渉再開に向け、米国の代表団が29日に米国をたちます。ただ、早くもその前にトランプ大統領は早期合意に悲観的な見方を示しました。米中関係を巡る不透明感はまだ晴れる気配がうかがえません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

来年まで先送りも

ムニューシン米財務長官とライトハイザー通商代表部(USTR)代表は29日に中国に向けて出発する。米中の通商協議が5月に頓挫して以降、ハイレベルでの対面交渉は初めて。トランプ大統領は26日、中国は民主党との合意を望むと思われることから、2020年の米大統領選挙後まで合意を待つ可能性があるとの見方を示した。その上で、「私が勝てば中国はほぼ即座に協定の締結に応じることになるだろう」と語った。

デモ続く

香港では28日も抗議デモが行われ、デモ参加者と警察が再び衝突した。香港政府は域内の高まる不満への対応に苦慮している。機動隊は中国政府の出先機関、香港連絡弁公室がある住宅地・ビジネスエリアの西営盤で黒いシャツを着た数百人の参加者らに向けて多数の催涙弾を発射。27日にも中国本土に近い香港の元朗地区で、先日発生した地下鉄の乗客襲撃事件を非難するデモ行進が行われていた。

戦時内閣

ジョンソン英首相は合意なき欧州連合(EU)離脱に本気になりつつある。首相は、10月31日までの離脱を計画すべく6人の閣僚による「戦時内閣」を組んだ。英日曜紙サンデー・タイムズによれば、シニアアドバイザーのドミニク・カミングス氏は、離脱は「必要ならいかなる手段を用いても」実現すると述べた。ゴーブ・ランカスター公領相は同紙に対し、「今や合意なき離脱は極めて現実的な可能性」だと指摘した。

完全に異なる問題

フランスが導入するデジタル課税を巡り、トランプ大統領は仏産ワインなどを対象とした報復関税を示唆したが、仏側に課税撤回の兆しは見られない。ルメール経済・財務相は27日、デジタル課税は「全て国益のため」だと説明。ワイン関税とは「完全に異なる問題」であり、両者を混同すべきではないと述べた。昨年はフランス産ワインの輸出先のうち約4分の1を米国が占めた。

コーツ長官が近く辞任か

コーツ米国家情報長官が近く辞任する見通しだと、事情に詳しい関係者2人が明らかにした。ここ2年余り、国家安全保障の問題を巡りトランプ大統領と繰り返し意見が衝突しているという。関係者のうち1人によると、トランプ氏は後任にジョン・ラトクリフ下院議員(共和、テキサス州)を指名する意向。

その他の注目ニュース
ロンドン証取、金融データ提供のリフィニティブ買収で協議
中国の工業利益、6月に減少-経済への逆風が浮き彫りに
米最高裁、国境の壁建設に国防費の転用を承認-トランプ氏「大勝利」