[ニューヨーク 30日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで下落し、一時2年半ぶりの安値を付けた。域内経済への懸念が広がり、ユーロ相場の重しとなった。一方、季節要因に加え、米中貿易摩擦を巡る不透明感からドル相場は底堅く推移した。 

9月のドイツの消費者物価指数(CPI)は前年比の伸びが0.9%と3カ月連続で鈍化し、2016年11月以来の低い伸びにとどまった。また関係筋によると、ドイツの主要な経済研究機関が2019年の経済成長率見通しを従来の0.8%から0.5%へ引き下げた。 

CIBCキャピタルマーケッツ(トロント)の北米FX戦略部長、バイパン・ライ氏は「独CPIはやや失望を誘った」と指摘。また期末を迎え、第4・四半期に向けたドル需要がドル相場を後押ししているとし「第4・四半期は例年ドル需要が膨らむ。ユーロ/ドルが最も取引さえる通貨ペアであることから、ユーロ/ドルは今後もさらに値下がりする可能性がある」とした。 

ユーロ/ドルEUR=は0.36%安の1.0899ドル。一時1.0883ドルと2017年5月以来の安値を付けた。 

中国外務省は30日、中国と米国の「デカップリング(切り離し)」を進めれば、国際金融市場が不安定になると警告した。複数の関係筋によると、トランプ米政権は米国の証券取引所に上場している中国株の上場廃止を検討している。ブルームバーグによると、米財務省は「現時点で」中国企業の上場を阻止する計画はないとコメントとした。 

トランプ大統領の弾劾訴追を巡る不透明感も安全資産としてのドル買いを誘ったという。トランプ大統領は30日、下院情報特別委員会のシフ委員長(民主党)が「反逆罪」で逮捕されるとの考えを示唆し、自身に対する弾劾調査を進める議員らへの圧力を強めた。 

ニュージーランドドルは対ドルNZD= NZD=D4で0.6247ドルと2015年以来の安値を付けた。9月のNZ企業信頼感指数が約11年半ぶりの低水準を記録したことが売り材料となった。 

ドル/円 
NY終値 108.06/108.10 
始値 107.92 
高値 108.17 
安値 107.90 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.0898/1.0902 
始値 1.0920 
高値 1.0923 
安値 1.0886